注文住宅の内装をおしゃれに!後悔しないための実例とコツ

「一生に一度の注文住宅、せっかくなら内装をとことんおしゃれにしたい!」
「でも、何から手をつければいいのか、どうすれば理想のイメージを形にできるのか分からない…」
マイホームづくりにおいて、多くの方がこのような想いを抱えています。InstagramやPinterestで素敵な家の内装を見るたびに、憧れは膨らむものの、具体的な進め方に戸惑ってしまいますよね。
この記事では、そんなあなたのために、注文住宅の内装をおしゃれにするための具体的なコツや人気スタイル、そして後悔しないためのポイントを、たくさんの実例とともに分かりやすく解説します。
この記事を読めば、漠然としていた「おしゃれな家」のイメージが明確になり、建築会社との打ち合わせで自信を持って希望を伝えられるようになります。ぜひ、理想のマイホームを実現するための第一歩としてお役立てください。
おしゃれな注文住宅の内装実例【場所別】
まずは、家の場所ごとにおしゃれな内装のアイデアを見ていきましょう。それぞれの空間でどのような工夫をすれば、より魅力的になるのか、具体的なポイントを解説します。
開放感のあるリビング

リビングは家族が集まる家の中心です。開放的でリラックスできる空間づくりが、おしゃれに見せる鍵となります。
- 吹き抜け・勾配天井
縦への広がりが生まれ、実際の面積以上の開放感を演出できます。高い位置に窓を設ければ、自然光がたっぷり入る明るいリビングになります。 - 大きな窓・掃き出し窓
庭やウッドデッキとリビングを繋げることで、内と外が一体化したような空間に。視線が抜けるため、部屋が広く感じられます。 - リビング階段
空間を仕切る壁がなくなるため、LDK全体が広く見えます。家族のコミュニケーションが自然と増えるというメリットもあります。 - ダウンフロア(ピットリビング)
リビングの床を一段下げることで、空間に立体感が生まれます。「おこもり感」のある落ち着いた雰囲気を演出したい場合におすすめです。
家事動線がよいキッチン

毎日使うキッチンは、デザイン性だけでなく機能性も重要です。家事動線がスムーズだと、日々の暮らしが格段に快適になります。
- アイランドキッチン
壁から独立した開放的なキッチン。家族や友人と一緒に料理を楽しんだり、コミュニケーションの中心になったりします。 - ペニンシュラキッチン
キッチンの片側が壁に接しているタイプ。アイランドキッチンのような開放感を保ちつつ、油はねなどを防ぎやすいのが特徴です。 - パントリー(食品庫)
キッチン横に設けることで、食料品や調理器具をすっきりと収納できます。生活感が出やすいキッチン周りを常にきれいに保つための強い味方です。
リラックスできる寝室

一日の疲れを癒す寝室は、落ち着いた雰囲気を大切にした内装を心がけましょう。
- 間接照明
光源が直接目に入らない柔らかな光が、リラックス効果を高めます。ベッドヘッドや天井に仕込むことで、ホテルのような上質な空間を演出できます。 - アクセントクロス
壁の一面だけ色や柄を変えることで、空間にメリハリが生まれます。ベッドヘッド側の壁に取り入れるのが人気です。 - ウォークインクローゼット
寝室に隣接させることで、着替えや身支度がスムーズになります。衣類をまとめて収納できるため、寝室をすっきりと保てます。
家の顔となる玄関・ホール

玄関は、家を訪れた人が最初に目にする「家の顔」です。第一印象を決める重要な空間として、デザインにこだわりましょう。
- シューズクローク
靴だけでなく、ベビーカーやアウトドア用品なども収納できる便利なスペース。玄関を常にすっきりと見せることができます。 - ニッチ(飾り棚)
壁の一部をへこませて作る飾り棚。季節の小物や写真、アートを飾ることで、玄関ホールが華やかな印象になります。 - 印象的な照明
デザイン性の高いペンダントライトやブラケットライト(壁付け照明)を取り入れると、一気におしゃれな雰囲気が高まります。
清潔感のある洗面所・トイレ

洗面所やトイレは、清潔感が第一です。素材選びやデザインにこだわることで、生活感を感じさせないおしゃれな空間になります。
- 造作洗面台
カウンターや鏡、収納などを自由に組み合わせられるオーダーメイドの洗面台。タイルや木材など、好みの素材でデザインできます。 - デザイン性の高いタイル
洗面台の壁や床にタイルを使うと、空間のアクセントになります。色や形で個性を表現しやすいのも魅力です。 - タンクレストイレ
タンクがない分、空間がすっきりして広く見えます。掃除がしやすいというメリットもあります。
集中できる書斎・ワークスペース

在宅ワークの普及により、書斎やワークスペースの需要が高まっています。集中力を高め、快適に作業できる環境づくりがポイントです。
- 造作デスク・本棚
部屋のサイズや用途に合わせて作ることで、デッドスペースなく空間を有効活用できます。 - 落ち着いた色の壁紙
ブルーやグリーン、グレーなどの寒色系の色は、集中力を高める効果があると言われています。 - こもり感のある配置
階段下やリビングの一角など、少し囲まれた空間に設けることで、集中しやすい「おこもり感」のあるワークスペースが作れます。
人気の内装デザインスタイル【テイスト別】
「おしゃれな内装」と一言で言っても、そのテイストは様々です。ここでは、注文住宅で特に人気の高いデザインスタイルを7つご紹介します。自分たちの好みがどのスタイルに近いか、理想のイメージを固める参考にしてください。
シンプルモダン
無駄な装飾を省き、直線的で洗練されたデザインが特徴のスタイルです。モノトーン(白・黒・グレー)を基調とし、ガラスや金属、コンクリートといった無機質な素材を組み合わせることで、都会的でスタイリッシュな空間を演出します。
ナチュラル
無垢材のフローリングや漆喰の壁など、自然素材をふんだんに使った温かみのあるスタイルです。アースカラー(ベージュ、ブラウン、グリーンなど)を基調とし、観葉植物などを取り入れることで、まるで森の中にいるような心地よい空間になります。
北欧(スカンジナビアン)
白や明るいグレーをベースに、木製の家具やファブリックで温かみをプラスしたスタイルです。シンプルで機能的なデザインが多く、アクセントとしてブルーやイエローなどの鮮やかな色を取り入れることもあります。日照時間の短い北欧ならではの、明るく居心地の良い空間づくりが特徴です。
和モダン
畳、障子、格子といった日本の伝統的な要素と、現代的なデザインを融合させたスタイルです。直線的なデザインや落ち着いた色合いが特徴で、どこか懐かしくも新しい、凛とした美しい空間を演出します。
インダストリアル
工場や倉庫のような、無骨で飾り気のない雰囲気が魅力のスタイルです。「インダストリアルとは『工業的』という意味」で、コンクリート打ちっぱなしの壁や天井、むき出しの配管、アイアン(鉄)、古材などを組み合わせるのが特徴です。ヴィンテージ感のある家具や照明との相性も抜群です。
カフェ風
お気に入りのカフェのような、居心地が良くおしゃれな空間を目指すスタイルです。レンガ調や黒板塗装の壁、見せる収納、デザイン性の高いペンダントライトなどが定番アイテム。カウンターキッチンを設ければ、よりカフェらしい雰囲気を楽しめます。
ホテルライク
高級ホテルの客室のような、上質で非日常的な空間を演出するスタイルです。生活感を隠す収納計画と、間接照明を効果的に使うのがポイント。統一感のあるインテリアと、大理石調の床やタイルなどの高級感のある素材選びが、洗練された雰囲気をつくります。
おしゃれな内装にする7つのコツ
理想のテイストが決まったら、次はいよいよ具体的なプランニングです。ここでは、注文住宅の内装をおしゃれに仕上げるための7つの重要なコツを解説します。
カラーコーディネートの基本
内装の印象を大きく左右するのが色使いです。「ベースカラー」「メインカラー」「アクセントカラー」の3つを意識すると、まとまりのある空間になります。
- ベースカラー(70%)
床・壁・天井など、部屋の最も広い面積を占める色。白やベージュ、アイボリーなどが一般的です。 - メインカラー(25%)
ソファやカーテン、ラグなど、インテリアの主役となる色。好みのテイストに合わせて選びます。 - アクセントカラー(5%)
クッションや小物、アートなど、空間にメリハリをつける差し色。全体の5%程度に抑えるのがバランスよく見せるコツです。
床材(フローリング・タイル)
床は面積が大きいため、部屋の印象を決定づける重要な要素です。素材の質感や色合いで、空間の雰囲気が大きく変わります。
- フローリング
無垢材は木の温もりや経年変化を楽しめ、ナチュラルな雰囲気に。複合フローリングは傷や汚れに強く、メンテナンスがしやすいのが特徴です。 - タイル
高級感があり、モダンやホテルライクなスタイルにぴったり。水や汚れに強いため、キッチンや洗面所にもおすすめです。
壁紙(クロス)・天井材
壁や天井は、空間の背景となる部分です。色や素材を工夫することで、部屋を広く見せたり、雰囲気を変えたりできます。
- アクセントクロス
壁の一面だけ色や柄を変える手法。手軽に空間の印象を変えられ、個性を出しやすいのが魅力です。 - 天井の工夫
天井のクロスを壁より一段明るい色にすると、天井が高く見え、開放感が生まれます。板張りの天井にすると、温かみのあるナチュラルな雰囲気を演出できます。
照明計画
照明は、部屋を明るくするだけでなく、空間を演出する重要な役割を担います。「一室一灯」ではなく、複数の照明を組み合わせる「一室多灯」が基本です。
- ダウンライト
天井に埋め込むため、空間がすっきり見えます。 - ペンダントライト
ダイニングテーブルの上やキッチンカウンターに吊るすと、空間のアクセントになります。 - 間接照明
壁や天井を照らすことで、柔らかな光が広がり、リラックスできる上質な雰囲気をつくります。
建具(ドア・窓)のデザイン
ドアや窓といった建具も、内装デザインの一部です。細部までこだわることで、空間全体の完成度が高まります。
- ハイドア
天井までの高さがあるドア。縦のラインが強調され、天井が高く見え、空間がすっきりとします。 - 室内窓
部屋と部屋の間に設ける窓。光や風を通し、家族の気配を感じられる開放的な空間をつくります。 - 窓サッシの色
壁の色と合わせるとすっきりとした印象に、黒などの濃い色を選ぶと空間のアクセントになります。
造作家具・ニッチの活用
「造作家具とは、その空間に合わせてオーダーメイドで作る家具のこと」です。空間にぴったり収まるため、統一感が生まれ、デッドスペースを有効活用できます。
- テレビボード
壁面に一体化したテレビボードは、見た目がすっきりするだけでなく、収納力も確保できます。 - ニッチ
壁をへこませて作る飾り棚。スイッチ類をまとめたり、小物を飾ったりするのに便利です。
コンセント・スイッチの配置
見落としがちですが、コンセントやスイッチの配置は日々の暮らしの快適さを左右します。デザイン性と実用性の両面から計画することが重要です。
- デザイン性の高いスイッチ
インダストリアルなトグルスイッチや、シンプルなデザインのスイッチプレートを選ぶだけで、壁面の印象がぐっとおしゃれになります。 - 配置計画
家具の配置をあらかじめ考え、隠れてしまわない位置に設置しましょう。掃除機を使う場所や、スマートフォンの充電場所なども考慮すると後悔がありません。
注文住宅の内装決めの流れ
「内装って、いつ、何を決めればいいの?」という疑問にお答えします。一般的な内装決めの流れを把握しておくことで、スムーズに家づくりを進めることができます。
1. コンセプトと予算の決定
- どんな暮らしがしたいか、どんなテイストが好きかを家族で話し合い、内装のコンセプトを決めます。
- 同時に、内装にかけられるおおよその予算を把握しておきましょう。
2. 情報収集とイメージ固め
- InstagramやPinterest、住宅雑誌などで好みの内装写真を集め、イメージを具体化します。
- 住宅展示場や完成見学会に足を運び、実際の空間や素材感を体感するのも非常に重要です。
3. 建築会社との打ち合わせ
- 集めた写真や資料をもとに、設計士やインテリアコーディネーターに希望を伝えます。
- 間取りやデザインの提案を受け、3Dパースなどで完成イメージを確認しながら、詳細を詰めていきます。
4. 仕様決定と最終確認
- 床材、壁紙、キッチン、バスルームなどの設備や仕様を、ショールームで実物を見ながら最終決定します。
- 小さなサンプルだけでなく、できるだけ大きなサンプルを取り寄せたり、ショールームで広い面積に施工されている状態を確認したりすると、イメージとのズレを防げます。
内装デザインの後悔ポイントと対策
最後に、先輩たちが「こうすればよかった…」と後悔しがちなポイントとその対策をご紹介します。失敗例から学ぶことで、満足度の高い家づくりを目指しましょう。
収納スペースの不足
後悔ポイント
「デザインを優先して収納を減らしたら、物があふれて生活感が出てしまった…」
対策
「どこに」「何を」「どれくらい」収納するかを具体的にシミュレーションし、適材適所の収納を計画しましょう。特に、玄関のシューズクロークやキッチンのパントリー、リビング収納は重要です。
生活動線を無視した間取り
後悔ポイント
「朝の支度で家族の動線がぶつかる」「洗濯物を干して取り込むまでが遠くて大変…」
対策
朝起きてから夜寝るまでの一日の動きや、家事の流れ(洗濯、料理など)を具体的にイメージし、スムーズに移動できる間取りを考えましょう。
コンセントの位置と数
後悔ポイント
「家具を置いたらコンセントが隠れてしまった」「ここにコンセントがあれば…と思うことが多い」
対策
家具の配置計画と同時にコンセントの位置と数を決めましょう。 掃除機用、スマートフォンの充電用、季節家電用など、使うシーンを想定して多めに設置しておくと安心です。
部屋の明るさと照明
後悔ポイント
「日中は明るいけど、夜になると部屋が暗く感じる」「照明のデザインだけで選んだら、思ったより暗かった」
対策
窓の大きさや方角だけでなく、照明計画もしっかり行いましょう。 ダウンライトや間接照明などを組み合わせて、時間帯やシーンに合わせて明るさを調整できるようにするのがおすすめです。
メンテナンスしにくい素材
後悔ポイント
「おしゃれだけど、汚れが目立ちやすく掃除が大変な床材を選んでしまった」
対策
デザイン性だけでなく、掃除のしやすさや耐久性といったメンテナンス性も考慮して素材を選びましょう。 特に、水回りやキッチンなど汚れやすい場所は注意が必要です。
まとめ
注文住宅の内装をおしゃれで満足のいくものにするためには、まず自分たちの「好き」という気持ちと向き合い、理想の暮らしのコンセプトを明確にすることが何よりも大切です。
今回ご紹介したポイントは以下の通りです。
- 場所別の実例を参考に、空間ごとの工夫を知る
- 人気のデザインスタイルから、自分たちの好みの方向性を見つける
- 「カラー」「素材」「照明」など7つのコツを押さえて、具体的な計画を立てる
- 後悔ポイントを参考に、失敗しないための対策を講じる
この記事で得た知識をもとに、たくさんの実例写真を見ながらイメージを膨らませてみてください。そして、その想いを建築会社のプロに相談することで、理想のイメージはきっと形になります。
後悔のない、あなただけの素敵なマイホームが完成することを心から願っています。
この記事の担当:

豊栄建設家づくり編集部
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