35坪のローコスト住宅 総額と平屋・二階建て間取り実例

「そろそろマイホームが欲しいけど、予算はあまりかけられない…」
「35坪くらいの広さが理想だけど、ローコスト住宅って実際どうなんだろう?」

家づくりを考え始めたばかりのあなたへ。この記事では、35坪のローコスト住宅に焦点を当て、気になる総額の相場から、平屋・二階建てそれぞれの具体的な間取りプラン、そして後悔しないための注意点まで、専門家の視点で分かりやすく解説します。

この記事を読めば、あなたの予算内で理想のマイホームを建てるための具体的なイメージが湧き、賢い家づくりの第一歩を踏み出せるはずです。

35坪ローコスト住宅の総額と費用内訳

まず、家づくりで最も気になる「お金」の話から見ていきましょう。35坪のローコスト住宅を建てるには、一体いくらくらいかかるのでしょうか。

総額の相場は1,500万~2,200万円

結論から言うと、35坪のローコスト住宅を建てる際の総額費用の相場は、およそ1,500万円~2,200万円です。

この金額には、建物の本体価格だけでなく、住める状態にするために必要な付帯工事費や諸費用も含まれています。ただし、土地の購入費用は含まれていないため、土地がない場合は別途費用が必要です。

なぜ価格に幅があるのかというと、選ぶハウスメーカーや工務店、設備のグレード、オプションの有無によって費用が変動するためです。

費用の内訳 本体工事費・付帯工事費・諸費用

住宅の価格は、大きく分けて3つの費用で構成されています。広告などで見る「坪単価」は、このうちの「本体工事費」だけを指していることが多く、注意が必要です。

  • 本体工事費(全体の約75%)
    建物そのものを建てるための費用です。基礎工事、構造躯体、屋根、外壁、内装、住宅設備(キッチン、お風呂、トイレなど)の設置が含まれます。
  • 付帯工事費(全体の約15%)
    建物以外で、敷地内で必要になる工事の費用です。例えば、古い家の解体、地盤改良、給排水・ガス・電気の引き込み工事、駐車場や庭などの外構工事がこれにあたります。
  • 諸費用(全体の約10%)
    工事以外で発生する手続き上の費用です。住宅ローンの手数料、火災保険料、登記費用、不動産取得税などが含まれます。

総額でいくらかかるのかを把握することが、予算オーバーを防ぐための最も重要なポイントです。

坪単価300万・500万は本体価格の一部

「平屋が300万円で建てられる!」「坪単価30万円~」といった広告を見たことはありませんか?

これらの非常に安い価格は、多くの場合、建物本体の最低限の価格(本体工事費)のみを指しています。先ほど説明した付帯工事費や諸費用は一切含まれていません。

そのため、「広告の価格だけで家が建つ」と考えるのは危険です。「ローコスト 平屋 300万」や「ローコスト 平屋 500万」といった価格は、あくまで家づくりの一部の費用であり、実際に住み始めるためには、総額で1,000万円以上かかるケースがほとんどだと理解しておきましょう。

ローコスト住宅とは?安さの理由と仕組み

そもそも、「ローコスト住宅とは、なぜ安く建てられるのでしょうか?」その仕組みを知ることで、「安かろう悪かろう」ではない、賢い選択ができます。

ローコスト住宅が価格を抑えられるのには、主に3つの理由があります。

仕様・設備の標準化

ローコスト住宅では、キッチンやお風呂、壁紙、床材といった建材や設備を、あらかじめ決められた選択肢の中から選ぶ「規格型」が基本です。

メーカーは特定の商品を大量に仕入れることで、一つあたりの単価を大幅に下げています。これにより、高品質な設備をリーズナブルな価格で提供できるのです。

シンプルな四角い形状(総二階など)

建物の形は、価格に大きく影響します。凹凸の少ないシンプルな四角い家は、材料の無駄が少なく、工事の手間も省けるためコストを抑えられます

特に「総二階」と呼ばれる、1階と2階がほぼ同じ面積・形状の建物は、ローコスト住宅でよく採用される効率的なデザインです。複雑なデザインにこだわらないことで、建築費用を大きく削減できます。

広告宣伝費や人件費の削減

豪華な住宅展示場を持たなかったり、テレビCMを打たなかったりすることで、莫大な広告宣伝費を削減しています。

また、営業担当者を最小限に抑え、プラン作成を効率化することで人件費をカットしている会社もあります。これらのコスト削減分が、住宅価格に反映されているのです。

後悔しないためのデメリットと注意点

価格が魅力的なローコスト住宅ですが、契約前に知っておくべきデメリットや注意点もあります。後悔しないために、以下の4つのポイントを必ず確認しましょう。

断熱性・気密性・耐震性の性能

ローコスト住宅で最も注意したいのが、住宅性能です。特に、夏涼しく冬暖かい家にするための「断熱性・気密性」や、万が一の地震に備える「耐震性」は、快適で安全な暮らしに直結します。

標準仕様でどのくらいの性能が確保されているのか、国の定める省エネ基準(ZEH基準など)を満たしているかなどを、契約前に必ず確認しましょう。性能を高めるためにはオプション費用がかかる場合もあります。

間取りやデザインの自由度

ローコスト住宅は仕様が規格化されているため、間取りやデザインの自由度は注文住宅に比べて低い傾向にあります。

「壁の位置を少しずらしたい」「ここにニッチ(飾り棚)を作りたい」といった細かな要望に対応できない場合があります。こだわりが強い方は、どこまでが標準で、どこからがオプション対応になるのかを事前に確認することが大切です。

標準仕様とオプション費用の範囲

「標準仕様」に含まれる設備のグレードや範囲は、ハウスメーカーによって大きく異なります。

例えば、食洗機や浴室乾燥機、カーテンレール、照明器具などが標準だと思っていたら、実はすべてオプションで、最終的に予算を大幅にオーバーしてしまったというケースは少なくありません。

「何が含まれていて、何が含まれていないのか」を詳細な見積もりでしっかり確認しましょう。

保証とアフターサービスの内容

家は建てて終わりではありません。引き渡し後の保証期間や、定期点検などのアフターサービスの内容も重要な比較ポイントです。

特に、構造躯体や雨漏りに関する初期保証(法律で10年が義務付けられています)が、延長できるかどうかも確認しておくと、将来の安心につながります。

【平屋】35坪の人気間取りプラン実例

ワンフロアで生活が完結する平屋は、子育て世代からシニア世代まで幅広く人気があります。35坪あれば、家族がゆったり暮らせる間取りが実現可能です。

将来も安心♪家族がつながる3LDKの間取り

  • 子供部屋を2つ確保
    現在は夫婦と子供1人でも、将来の家族構成の変化に対応できる3LDKの間取りです。
  • プライベート空間の確保
    リビングを通らずに各個室へ行けるように工夫することで、家族のプライバシーも守れます。
  • バリアフリー設計
    階段がない平屋のメリットを活かし、将来のことも考えて段差をなくしたバリアフリー設計が基本です。

家事動線を重視した回遊できる間取り

  • キッチン中心の回遊動線
    「キッチン→パントリー→ファミリークローゼット→洗面脱衣室」と、家事をしながらスムーズに移動できる人気の間取りです。
  • 「洗う・干す・しまう」が一か所で完結
    洗面脱衣室の隣に室内干しスペースやファミリークローゼットを設けることで、洗濯の負担を大幅に軽減します。
  • 帰宅動線もスムーズ
    玄関からシューズクロークを通り、すぐに手洗い・うがいができる動線は、衛生的で便利です。

【二階建て】35坪の人気間取りプラン実例

同じ35坪でも、二階建てにすると平屋よりも小さな土地で建てられるメリットがあります。特にコストパフォーマンスに優れた「総二階」の間取りが人気です。

コストを抑える総二階3LDKの間取り

  • シンプルな箱型の形状
    1階と2階の面積がほぼ同じ総二階は、凹凸が少なく建築コストを抑えやすいのが最大の特徴です。
  • 1階にLDKと水回りを集約
    生活動線が1階で完結しやすく、効率的な暮らしが可能です。
  • 2階に個室を配置
    2階に寝室や子供部屋をまとめることで、パブリックな空間とプライベートな空間を明確に分けられます。

プライバシーを確保しやすい4LDKの間取り

  • 1階に客間としても使える和室
    リビング横に和室や畳コーナーを設けることで、来客時の対応や子供の遊び場として多目的に使えます。
  • 2階に3つの部屋を確保
    主寝室と子供部屋2つを確保できます。
  • 回遊できる動線
    水回りが回遊動線となっており、家事効率が高くなります。洗面・脱衣・ファミリークロークが分かれていて、使用中でも気兼ねなく身支度や家事を進めることができます。

収納スペースを充実させた間取り

  • 玄関のシューズインクローゼット
    靴だけでなく、ベビーカーやアウトドア用品もすっきり収納できます。
  • キッチンのパントリー
    食料品や日用品のストックに便利なパントリー(食品庫)を設けることで、キッチン周りを常にきれいに保てます。
  • 2階のウォークインクローゼット
    主寝室に大容量のウォークインクローゼットを設ければ、夫婦の衣類や季節物をまとめて収納できます。

おしゃれなローコスト住宅の建築実例集

「ローコスト住宅はデザインがイマイチなのでは?」という心配は無用です。工夫次第で、安くてもおしゃれな家を建てることは十分に可能です。

シンプルモダンな外観デザイン

外壁の色をツートンカラーにしたり、一部に木目調のサイディングを使ったりするだけで、シンプルながらも表情豊かな外観になります。窓の形や配置を工夫することでも、デザイン性は大きく向上します。

開放感のあるリビング・ダイニング

床や壁、天井の色を白やベージュなどの明るい色で統一すると、空間が広く見え、開放感が生まれます。リビングに吹き抜けを設けたり、大きな窓で庭とつなげたりするのも、おしゃれに見せる人気のテクニックです。

こだわりのキッチン・水回り

キッチンカウンターの腰壁にアクセントクロスを貼ったり、洗面台にデザイン性の高いタイルを使ったりと、費用を抑えながらも一部分にこだわることで、空間全体がおしゃれな印象になります。照明器具やスイッチプレートなど、細部を変えるだけでも雰囲気は大きく変わります。

まとめ

今回は、35坪のローコスト住宅について、費用相場から間取り、後悔しないための注意点までを詳しく解説しました。

最後に、理想のローコスト住宅を建てるための重要なポイントを3つおさらいします。

  1. 総額で予算を考える
    広告の坪単価に惑わされず、本体工事費・付帯工事費・諸費用をすべて含めた「総額」で資金計画を立てましょう。
  2. デメリットと性能を理解する
    価格の安さだけでなく、間取りの自由度や住宅性能といったデメリットも理解した上で、自分たちの価値観に合うか判断することが大切です。
  3. 複数の会社を比較検討する
    ローコスト住宅と一口に言っても、会社によって得意なデザインや標準仕様、保証内容は様々です。必ず複数の会社から資料を取り寄せ、見積もりを比較して、あなたにぴったりのパートナーを見つけてください。

この記事が、あなたの夢のマイホーム実現への確かな一歩となることを願っています。

この記事の担当:

豊栄建設家づくり編集部

家づくりのヒントや住まいの最新情報を分かりやすくご紹介。皆さまの理想の住まいづくりにお役立てください。

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