50坪のローコスト住宅は2000万円台から!間取りと後悔しない注意点

「家族みんながゆったり暮らせる、広々とした50坪のマイホームが欲しい。でも、予算はできるだけ抑えたい…」
お子様の成長やライフスタイルの変化を機に、広い家を検討している多くの方が、このような希望と悩みを抱えています。そんな願いを叶える選択肢の一つが、50坪のローコスト住宅です。
しかし、「安い家は品質が心配」「本当に理想の間取りが実現できるの?」といった不安も尽きませんよね。
この記事では、50坪のローコスト住宅を建てるために必要な情報を網羅的に解説します。具体的な費用相場から、後悔しないためのデメリット対策、そして夢が広がる間取りの実例まで、あなたの家づくりを成功に導くための知識を分かりやすくお伝えします。
この記事を読めば、50坪のローコスト住宅に関する漠然とした不安が解消され、賢い家づくりの第一歩を踏み出せるはずです。
この記事の目次
50坪ローコスト住宅の費用相場と内訳
50坪のローコスト住宅を建てる場合、建物本体価格の目安は1,500万円〜2,500万円程度です。ただし、実際に家を建てて住み始めるまでには、付帯工事費や諸費用が別途必要になります。
総額費用の目安は、2,000万円台後半から3,000万円台前半を見ておくと良いでしょう。
総額費用の内訳とシミュレーション
家づくりの総額費用は、大きく分けて以下の3つで構成されます。
- 建物本体価格(総額の約7割)
- 付帯工事費(総額の約2割)
- 諸費用(総額の約1割)
例えば、総額が2,800万円の場合、内訳はおおよそ以下のようになります。
- 建物本体価格: 約1,960万円
- 付帯工事費: 約560万円
- 諸費用: 約280万円
坪単価だけで判断せず、必ず総額でいくらかかるのかを確認することが重要です。
価格帯別に見る建築事例
価格帯によって、実現できる家の仕様やデザインは変わってきます。
- 2,000万円台前半
仕様や設備は基本的に標準グレードとなり、間取りも規格化されたプランから選ぶことが多くなります。シンプルな箱型の総二階建てなどが代表的です。コストを最優先しつつ、広い空間を確保したい方に向いています。 - 2,000万円台後半
標準仕様に加えて、キッチンやバスルームなど、こだわりたい部分を一部グレードアップする余裕が出てきます。間取りの自由度も少し高まり、外観デザインにもある程度の選択肢が生まれます。 - 3,000万円台
設備のグレードアップやオプションの追加がしやすくなります。太陽光発電システムの導入や、こだわりの内装材を選ぶなど、性能とデザイン性を両立させた家づくりが可能になります。
建物本体価格以外に必要な付帯工事費
付帯工事費は、建物を建てるために必須となる工事の費用です。土地の状況によって金額が大きく変動するため、事前にしっかり確認しましょう。
- 地盤改良工事費
地盤が弱い場合に必要となる工事です。50万円〜100万円以上かかることもあります。 - 給排水・ガス工事費
水道管やガス管を敷地内に引き込む工事です。 - 外構工事費
駐車場、門、フェンス、庭などの工事です。どこまでこだわるかで費用が大きく変わります。 - 解体工事費(建て替えの場合)
既存の建物を解体する費用です。50坪の木造住宅の場合、150万円〜250万円程度が目安です。
見落としがちな諸費用と税金
諸費用は、住宅ローンや登記手続き、税金などにかかる費用です。見落としがちですが、総額の1割程度を占める重要なコストです。
- 登記費用(登録免許税・司法書士報酬)
- 住宅ローン手数料・保証料
- 火災保険料・地震保険料
- 不動産取得税
- 固定資産税
- 印紙税(工事請負契約書や金銭消費貸借契約書に貼付)
ローコスト住宅のデメリットと後悔しない対策
価格が魅力的なローコスト住宅ですが、安さの裏にあるデメリットを理解し、対策を講じることが後悔しないための鍵となります。
設計・間取りの自由度が低い
ローコスト住宅は、設計ルールを規格化することでコストを削減しているため、間取りの自由度が低い傾向にあります。
- デメリット
完全自由設計の注文住宅のように、複雑な形や特殊な間取りに対応できない場合があります。用意されたプランの中から選ぶ、あるいは一部を変更するセミオーダー形式が主流です。 - 対策
規格化されたプランの中に、自分の理想に近いものがないか探してみましょう。多くのハウスメーカーが豊富なプランを用意しています。また、オプションで間取り変更に対応してくれる場合もあるため、どこまで変更可能か事前に確認することが大切です。
標準仕様の設備・建材の質
標準仕様の住宅設備(キッチン、バス、トイレなど)や建材(壁紙、床材など)は、グレードが抑えられていることが一般的です。
- デメリット
デザインの選択肢が少なかったり、機能がシンプルだったりします。見た目や使い勝手にこだわりたい方には、物足りなく感じるかもしれません。 - 対策
モデルハウスやショールームで標準仕様を必ず実物で確認しましょう。その上で、どうしても譲れない部分だけをオプションでグレードアップするのが賢い方法です。予算内で理想に近づけるためのメリハリが重要です。
断熱性・気密性・耐震性への不安
「安い家は、断熱性や耐震性が低いのでは?」という不安は、多くの方が抱く疑問です。
- デメリット
建築基準法で定められた最低限の基準はクリアしていますが、高性能住宅に比べると断熱性や気密性が見劣りする場合があります。その結果、夏は暑く冬は寒い家になり、光熱費が高くつく可能性があります。 - 対策
断熱材の種類や窓の性能(サッシの種類など)を契約前に確認しましょう。多くのローコストメーカーでは、断熱性能を高めるオプションを用意しています。初期費用はかかりますが、長期的な光熱費を考えると、断熱性能への投資は有効です。耐震性については、現在の建築基準法は非常に厳しいため、法規通りに建てられていれば基本的に問題ありませんが、耐震等級3を取得しているかどうかも一つの判断基準になります。
保証やアフターサービスの範囲
保証期間が短かったり、アフターサービスの範囲が限定的だったりする場合があります。
- デメリット
引き渡し後10年間の「住宅瑕疵担保責任保険」への加入は法律で義務付けられていますが、それ以降の長期保証や定期点検の体制はハウスメーカーによって様々です。 - 対策
契約前に保証内容とアフターサービスの具体的な範囲、有償・無償の区別をしっかり確認してください。長期的な安心も、家づくりの大切な要素です。
そもそもローコスト住宅とは?安さの理由
では、なぜローコスト住宅は安く建てられるのでしょうか。その理由は、企業努力による徹底したコスト削減にあります。決して「手抜き工事」で安くしているわけではありません。
建材・設備の大量一括仕入れ
キッチンやバスルームなどの住宅設備や建材を、メーカーから大量に一括購入することで、仕入れコストを大幅に下げています。これにより、一戸あたりの単価を抑えることが可能になります。
設計・仕様の規格化による効率化
間取りやデザインのパターンをある程度絞り込み、仕様を規格化することで、設計にかかる時間と人件費を削減しています。部材も工場でプレカットしておくことで、現場での作業を効率化し、工期を短縮しています。これが、間取りの自由度が低い理由にもつながります。
広告宣伝費や人件費の削減
豪華なカタログやテレビCM、住宅展示場への出展などを控え、広告宣伝費を抑えています。また、営業担当者や設計士の数を少数精鋭にすることで、人件費を削減しているケースも多く見られます。
50坪のおすすめ間取りプラン実例集
延床面積50坪という広さを活かせば、家族の夢を詰め込んだ理想の間取りが実現可能です。ここでは、ライフスタイルに合わせた間取りプランの実例をご紹介します。
【二階建て】4〜5人家族向け4LDK


50坪の家で最も一般的なのが、4〜5人家族が快適に暮らせる二階建ての間取りです。
- 1階
20畳以上の広々としたLDK、独立した和室(客間やキッズスペースに)、水回りを集約した家事動線の良い設計。 - 2階
主寝室(ウォークインクローゼット付き)、子供部屋2〜3室、家族で使えるファミリークローゼットや書斎スペース。
家族が集まるLDKを広く取り、プライベートな各個室もしっかり確保できるのが魅力です。
【平屋】夫婦二人でゆったり暮らす3LDK

ワンフロアで生活が完結する平屋は、近年人気が高まっています。50坪あれば、非常に贅沢で暮らしやすい平屋が実現できます。
- 特徴
LDKを中心に各部屋を配置し、家中をスムーズに移動できる回遊動線。広いウッドデッキや中庭を設けて、内と外のつながりを楽しむ暮らしも可能です。将来のバリアフリーを考えても、平屋は非常に優れた選択肢です。
【ビルトインガレージ】車好きの夢を叶える間取り
車やバイクが趣味の方にとって、ビルトインガレージは憧れの間取りです。
- 特徴
車2台分を駐車できるスペースを確保しつつ、居住空間もゆったりと設計できます。ガレージから直接室内に入れる動線を確保すれば、雨の日でも濡れずに荷物を運べて便利です。ガレージを趣味の作業スペースとして活用するのも良いでしょう。
【二世帯住宅】プライバシーを確保する間取り
50坪の広さがあれば、二世帯住宅も十分に検討できます。
- 特徴
玄関は共有しつつ、キッチンや浴室などの水回りを各世帯で分ける「部分共用型」や、1階と2階で居住空間を完全に分ける「完全分離型」など、プライバシーに配慮した間取りが可能です。お互いの生活リズムを尊重しながら、必要なときには助け合える理想的な距離感を保てます。
家事動線と収納を重視した間取りの工夫
どんな間取りでも共通して重要なのが、家事動線と収納です。
- 家事動線
キッチン、パントリー、洗面脱衣室、ファミリークローゼットを回遊できるように配置すると、「ながら家事」がしやすくなり、日々の負担が大きく軽減されます。 - 収納
玄関にはシューズクローク、キッチンにはパントリー、各部屋にクローゼットを設けるなど、適材適所の収納計画が家をすっきりと保つ秘訣です。特に、家族全員の衣類をまとめて管理できるファミリークローゼットはおすすめです。
50坪の広さとは?部屋数やLDKの目安
「50坪」と聞いても、具体的な広さをイメージするのは難しいかもしれません。ここでは、様々な単位や例えで50坪の広さを解説します。
平米(㎡)や畳の枚数での換算
- 1坪
約3.31㎡(約2畳) - 50坪
約165㎡(平方メートル) - 50坪
約100畳(京間換算)
一般的な建売住宅の平均的な広さが30〜35坪程度なので、50坪がいかに広いかが分かります。
LDKは20畳以上、4LDK〜5LDKが基本
50坪の家なら、LDKだけで20畳以上の大空間を確保することが可能です。部屋数としては、4LDKや5LDKが基本となり、書斎や趣味の部屋、大きな収納スペースなど、プラスアルファの空間も十分に設けられます。
バレーボールコート約半分という広さの例え
身近なもので例えると、50坪の広さはバレーボールコート(約162㎡)の約半分に相当します。家族がのびのびと暮らすには十分すぎるほどの広さと言えるでしょう。
失敗しないハウスメーカー・工務店の選び方
理想の家づくりを実現するには、信頼できるパートナー(ハウスメーカー・工務店)選びが最も重要です。
ローコスト住宅が得意なハウスメーカー比較
ローコスト住宅を検討するなら、その分野を得意とするハウスメーカーに相談するのが近道です。ここでは代表的なハウスメーカーをいくつかご紹介します。
- タマホーム
「より良いものをより安く」をコンセプトに、全国展開する大手。標準仕様のグレードが高く、コストパフォーマンスに優れています。 - アイダ設計
自社でプレカット工場を持ち、設計から施工まで一貫して行うことでコストを削減。自由設計にも対応しています。 - アキュラホーム
適正価格を追求し、完全自由設計と高い品質を両立。グッドデザイン賞を多数受賞するなど、デザイン性にも定評があります。
※上記は一例です。各社の特徴や坪単価は時期やプランによって変動するため、必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。
ハウスメーカーと工務店の違いと選び分け
- ハウスメーカー
広範囲に展開し、商品が規格化されているため品質が安定しています。ブランド力や保証体制に安心感を求める方におすすめです。 - 工務店
地域密着型で、設計の自由度が高い傾向にあります。社長や担当者と直接話しながら、こだわりの家づくりをしたい方に向いています。
どちらが良いというわけではなく、自分の建てたい家や価値観に合う方を選ぶことが大切です。
坪単価のからくりと注意点
広告などで目にする「坪単価」には注意が必要です。多くの場合、この坪単価は建物本体価格を延床面積で割っただけの金額を指します。
前述の通り、家づくりには付帯工事費や諸費用が別途かかります。「坪単価〇〇万円」という表示だけで判断せず、必ず総額の見積もりを依頼しましょう。
標準仕様とオプションの範囲を確認する
「何が標準仕様で、何がオプションなのか」を契約前に徹底的に確認することが、後悔しないための最大のポイントです。
モデルハウスは豪華なオプション仕様になっていることがほとんどです。標準仕様のキッチン、壁紙、床材などを必ず確認し、オプションを追加した場合の見積もりも取った上で、最終的な判断をしましょう。
まとめ
今回は、50坪のローコスト住宅について、費用相場から間取り、後悔しないための注意点まで詳しく解説しました。
最後に、重要なポイントを振り返りましょう。
- 費用
50坪のローコスト住宅の総額目安は2,000万円台後半から。坪単価だけでなく、付帯工事費や諸費用を含めた総額で考えることが重要です。 - デメリットと対策
設計の自由度の低さや標準仕様の質といったデメリットは、事前の確認と賢いオプション選択で対策可能です。 - 間取り
50坪の広さを活かせば、二世帯住宅やビルトインガレージなど、家族の夢を叶える多様な間取りが実現できます。 - パートナー選び
標準仕様とオプションの範囲をしっかり確認し、信頼できるハウスメーカーや工務店を見つけることが成功の鍵です。
50坪のローコスト住宅は、決して「安かろう悪かろう」ではありません。安さの理由を正しく理解し、メリット・デメリットを踏まえた上で賢く計画を進めれば、予算内で理想の広さと暮らしやすさを両立させることは十分に可能です。
まずは気になるハウスメーカーの資料を取り寄せたり、相談会に参加したりして、あなたの家づくりの第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。
この記事の担当:

豊栄建設家づくり編集部
家づくりのヒントや住まいの最新情報を分かりやすくご紹介。皆さまの理想の住まいづくりにお役立てください。