ローコスト住宅の坪単価はいくら?注意点も併わせて解説

ハウスメーカーや建築会社を選ぶ際の基準となる「坪単価」は、不動産の専門知識がない方でも住宅のグレードを判断しやすい重要な数字です。
しかし、実際に坪単価で検討してみると「坪単価の仕組みがわかりづらい」と悩む方も少なくありません。
そこで、この記事では坪単価の仕組みやローコスト住宅の坪単価相場、ローコスト住宅の坪単価を比較する際の注意点を解説します。これからローコスト住宅を検討する方は、ぜひ参考にしてください。
この記事の目次
住宅の坪単価とは?
坪単価とは、建物本体の1坪(3.3㎡)あたりの建築費であり、注文住宅の建築費を算出する際の目安として用いられます。
坪単価は「建物本体工事費」÷「延床面積(坪数)」で算出され、2階建てや3階建ての場合は各階の床面積を含めて計算するのが一般的です。
たとえば、本体価格が1,200万円で延床面積が40坪だとすると、坪単価は30万円となります。
ローコスト住宅の坪単価が安い理由
注文住宅には「フルオーダータイプ」「セミオーダータイプ」「規格住宅」の3種類があります。
フルオーダータイプは間取りや設備を自由に選べる住宅、セミオーダータイプはハウスメーカーの標準仕様を選択し、そこから自分の要望に合わせて間取りや仕様を選べる住宅です。規格住宅はハウスメーカーが設定したプランに沿って建てる住宅を指します。
ローコスト住宅は標準仕様をメインとしたセミオーダータイプであることが多く、注文住宅と比べて建築費用を抑えて建てられる人気の住宅です。ローコスト住宅が低価格である理由には以下の4つが挙げられます。
・建築材料を統一し、大量に仕入れて加工し、費用を抑えている
・間取りや内装、外装をパターン化して規格住宅にしている
・同じ建築方法にして人件費を削減している
・広告を絞って宣伝費用をカットしている
ローコスト住宅は坪単価が安いので、住宅購入費用を抑えられます。住宅ローンの借り入れ金額が下がれば、新生活の費用や子どもの教育費に費用を回せたり、建て替えに対するハードルも低くなったりするなど、メリットも多いのが魅力です。
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ローコスト住宅の坪単価相場
ローコスト住宅とは一般的に坪単価30万〜50万円の住宅を指しますが、昨今の物価高の影響でローコスト住宅自体の坪単価も高くなっている傾向です。
国土交通省の「令和5年度住宅市場動向」によると、全国の注文住宅の平均建築資金(土地購入資金を除く)は約36.7坪(121.3㎡)で4,319万円でした。
前述した費用相場をもとに、ローコスト住宅と注文住宅を延床面積30坪で建てた場合の建築費用を表にしました。
【ローコスト住宅と注文住宅の坪単価と30坪の建築費用】
ローコスト住宅 | 注文住宅 | |
坪単価 | 30万〜50万円 | 約118万円 |
30坪で建てた場合の建築費用 | 900万〜1,500万円 | 約3,531万円 |
・坪数は住宅面積(㎡)×0.3025で算出
・坪単価は建築資金(万円)÷住宅面積(坪数)で算出
それぞれの建築費用を比較すると、ローコスト住宅は一般的な注文住宅の半分ほどの費用で建てられます。
ただし、ローコスト住宅の総額には坪単価以外に「付帯工事費」と「諸費用」がかかるため注意が必要です。坪単価は建物本体の価格で総額の70%〜75%、建物以外の工事にかかる付帯工事費は建築費総額の15%〜20%、手続きにかかる諸費用は建築費総額の5%〜10%かかります。
たとえば、建物本体価格1,000万円のローコスト住宅を購入する場合、付帯工事費が150万〜200万円、諸費用が50万〜100万円、1,200万〜1,300万円が総費用の目安です。
このことから、坪単価からローコスト住宅の資金計画を立てる際は、坪単価の金額に対して20%〜30%程度の予算が追加で必要と考えておきましょう。
ローコスト住宅の坪単価を比較する際の注意点
ローコスト住宅の坪単価を比較するときに気をつけたい注意点は以下の3つです。
・延床面積と施工床面積の違い
・ハウスメーカーごとの坪単価の定義や項目
・坪単価に含まれる費用
施工床面積は延床面積の対象とならないベランダや玄関ポーチ、吹き抜けを含む広めの面積を指します。本体価格を割る面積が広いほど坪単価は安くなり、メーカーごとに算出する基準が異なるため、どのように計算しているかを確認してから比較しましょう。
坪単価はどのハウスメーカーでも使われる言葉ですが、次の2社は単純に坪単価だけでは判断できません。
【坪単価50万円のA社】延床面積を基準に算出。設備のグレードは高め。 【坪単価40万円のB社】施工床面積を基準に算出。設備のグレードは低め。 |
坪単価だけをみるとB社の方が安く見えますが、A社よりも広い床面積で設備のグレードも低く、トータルコストを考えるとB社が安いとは限りません。見積もりの際は面積の基準まで目を通しましょう。
坪単価には必要な設備が入っていることがほとんどですが、床暖房や食洗機などオプションの設備もあります。オプションは坪単価に含まれていないので、坪単価だけを気にして予算オーバーにならないように注意しましょう。
ローコスト住宅を検討する際は、坪単価以外の確認も怠らずに
ローコスト住宅は、坪単価以外にも確認しておきたいポイントが4つあります。
・メンテナンスにかかるコストを検討する
・オプションが高くないか
・耐熱性・耐震性・耐久性はどうか
・保証期間が短くないか
ローコスト住宅は断熱性や気密性などの基本的な住宅性能を満たしています。しかし、コストダウンのために住宅性能に関わる建築材のグレードを下げてしまうと、後からメンテナンス費用がかさむ可能性があります。長く住み続けるにはどこに費用をかけるべきかを考えて慎重に判断しましょう。
ローコスト住宅のオプションは高い傾向にあります。オプションの内容や費用はハウスメーカーによって異なりますが、こだわりすぎると予算内に収まらなくなるので注意が必要です。
ローコスト住宅の中には高断熱、高気密な住宅を扱っているメーカーもあるため、将来性も考慮して検討してみてください。
ハウスメーカーは法律で義務化されている10年保証に加えて独自の長期保証をつけるメーカーも増えています。ローコスト住宅だからといって保証期間が短くないか、建築会社ごとにチェックしておきましょう。
理想のローコスト住宅を建てるためのポイント
理想のローコスト住宅を建てるには、以下の方法が挙げられます。
☑︎予算設定は余裕を持たせる ☑︎シンプルな総二階建てにする ☑︎無駄なスペースの排除など間取りを工夫する ☑︎内装や設備は標準仕様を選ぶ ☑︎断熱性や耐熱性など住宅性能も確認する ☑︎ランニングコスト・メンテナンスコストも考慮する ☑︎こだわりたい部分を絞る☑︎複数のハウスメーカーを比較検討する |
ローコスト住宅のグレードを上げたり、必要な設備を増やしたりするためにも、予算設定に余裕を持たせておくといいでしょう。
建築費だけでなく、光熱費やメンテナンス費用など、ランニングコストも重要です。断熱性や省エネルギー性能に対応した住宅を選ぶと、家全体のランニングコストも抑えられます。
ローコスト住宅のハウスメーカー選びは、価格の透過性や建築材料の品質、住宅保証など全体をみて決めましょう。
まとめ
坪単価は建物本体の1坪(3.3㎡)あたりの建築費であり、ハウスメーカーや建築会社を選ぶ際の重要な基準になるものです。
ローコスト住宅は自由設計の注文住宅と比べて低価格で建てられるのが魅力で、ローコスト住宅の一般的な坪単価は30万〜50万円となっています。
しかし、坪単価の算出方法や含まれている項目はハウスメーカーや建築会社によって異なり、複数の会社を検討するには、どのように計算しているのか確認が必要です。
ローコスト住宅を検討している方は、プランの内容や費用、住宅性能など総合的に判断して依頼しましょう。
高断熱・高気密なローコスト住宅をお探しの方は、ぜひ豊栄建設にご相談ください。