家づくりの疑問

和室から洋室リフォーム費用相場と工事内容を完全解説

和室から洋室リフォーム費用相場と工事内容を完全解説

「使っていない和室を、おしゃれで使いやすい洋室にしたい」
「子供が独立して空いた和室を、自分の書斎や趣味の部屋として活用したい」

ライフスタイルの変化とともに、このように考える方は少なくありません。和室から洋室へのリフォームは、住まいの快適性を大きく向上させる人気の選択肢です。

しかし、いざリフォームを考え始めると、「費用はいくらかかるの?」「どんな工事が必要なの?」「失敗しないためにはどうすればいい?」といった疑問や不安が次々と出てくるのではないでしょうか。

この記事では、和室から洋室へのリフォームを検討している初心者の方に向けて、以下の内容を分かりやすく解説します。

  • 広さや工事内容別の詳しい費用相場
  • 床・壁・収納など箇所別の工事内容
  • おしゃれなリフォーム実例
  • 費用を安く抑えるコツとリフォーム会社の選び方

この記事を読めば、和室から洋室へのリフォーム計画を具体的に進めるための知識がすべて手に入ります。ぜひ最後までご覧いただき、理想の空間づくりにお役立てください。

和室から洋室リフォームの費用相場

和室から洋室へのリフォーム費用は、部屋の広さや工事の範囲、使用する建材のグレードによって大きく変動します。まずは全体的な費用感を掴みましょう。

一般的に、6畳の和室を全面リフォームする場合、費用相場は約25万円~100万円が目安です。どこまで手を入れるかによって金額が変わるため、内訳を理解することが重要です。

【広さ別】6畳・8畳の費用相場

部屋の広さごとの費用相場は以下の通りです。

  • 6畳の和室を洋室にする費用
    約25万円~100万円が目安です。床・壁・天井の基本的な内装工事に加えて、押入れをクローゼットに変更する工事まで含めると、この価格帯になることが一般的です。
  • 8畳の和室を洋室にする費用
    約35万円~120万円が目安です。6畳に比べて材料費や施工費が上がるため、費用も高くなります。

マンションと戸建ての費用差

マンションと戸建てでは、リフォームの費用や注意点が異なります。

一般的に、マンションの方が費用が高くなる傾向があります。これは、マンションの管理規約で床材の遮音等級が定められている場合が多く、防音性能の高いフローリング材や下地材を使用する必要があるためです。

一方、戸建ての場合は比較的自由にリフォームできますが、建物の構造(木造、鉄骨など)によっては補強工事が必要になるケースもあります。

全面リフォームと部分リフォームの費用

リフォームは、部屋全体を改装する「全面リフォーム」と、床だけ・壁だけなど気になる部分だけを工事する「部分リフォーム」に分けられます。

  • 全面リフォーム
    床、壁、天井、収納、建具(ドアなど)のすべてを改装します。費用は高くなりますが、デザインの統一感が生まれ、新築同様の空間に生まれ変わります。相場は前述の通り、6畳で25万円~100万円程度です。
  • 部分リフォーム
    「畳をフローリングに変えるだけ」といった限定的な工事です。費用を抑えられますが、既存部分との調和を考える必要があります。例えば、床だけをリフォームする場合の費用は9万円~25万円程度が目安です。

【工事箇所別】リフォーム費用と内容

ここでは、和室から洋室へのリフォームで行われる主な工事内容と、それぞれの費用相場を詳しく見ていきましょう。ご自身の希望するリフォーム内容と照らし合わせることで、より具体的な予算をイメージできます。

床リフォーム(畳からフローリングへ)

和室から洋室へのリフォームで最も代表的な工事が、畳からフローリングへの変更です。

  • 工事内容
    畳を撤去し、床の高さを調整するための下地処理を行った後、フローリング材を張ります。マンションの場合は、管理規約で定められた遮音性能を満たす必要があります。
  • 費用相場
    6畳で約9万円~25万円です。
  • ポイント
    フローリング材には、傷に強くメンテナンスが楽な「複合フローリング」と、木の温もりや経年変化を楽しめる「無垢フローリング」があります。どちらを選ぶかによって費用や機能性が変わります。

壁リフォーム(砂壁・土壁からクロスへ)

和室特有の砂壁や土壁、プリント合板の壁を、洋室に合う壁紙(クロス)に張り替える工事です。

  • 工事内容
    既存の壁の状態によって工程が変わります。砂壁や土壁の場合は、下地処理としてベニヤ板を上張りしてからクロスを貼るのが一般的です。
  • 費用相場
    6畳で約5万円~15万円です。下地処理が必要な場合は費用が加算されます。
  • ポイント
    壁紙の色やデザインは部屋の印象を大きく左右します。白を基調にすると部屋が広く見え、アクセントクロスを取り入れるとおしゃれな空間を演出できます。

天井リフォーム

壁と同様に、天井もクロス張りにするのが一般的です。

  • 工事内容
    和室の天井は「目透かし天井」や「竿縁天井」など様々ですが、多くの場合、壁と同じようにベニヤ板で下地を作ってからクロスを貼ります。
  • 費用相場
    6畳で約3万円~8万円です。
  • ポイント
    照明をシーリングライトやダウンライトに変更する場合は、別途電気工事費が必要になります。

収納リフォーム(押入れからクローゼットへ)

使い勝手の良い収納を確保するため、押入れをクローゼットにリフォームするのも人気の工事です。

  • 工事内容
    押入れの中棚や仕切りを解体し、ハンガーパイプや棚板を設置します。ふすまを折れ戸や引き戸に交換することで、洋室らしい見た目と機能性を両立できます。
  • 費用相場
    約8万円~25万円です。扉の種類や内部の造作によって費用が変わります。
  • ポイント
    収納したいものに合わせて内部のレイアウトを計画することが成功の鍵です。例えば、衣類が多いならハンガーパイプを2段にする、小物が多いなら可動棚を設置するなどの工夫が考えられます。

ドア・ふすま・障子の交換

部屋の出入り口であるふすまや障子を、洋室に合うドアに交換する工事です。

  • 工事内容
    既存の枠を活かしてドアを設置する方法と、枠ごと交換する方法があります。リビングと繋がる間仕切り壁を撤去して、開放的な空間にすることも可能です。
  • 費用相場
    ドア交換で約5万円~15万円です。壁の撤去などが伴う場合は、さらに費用がかかります。

【目的別】和室から洋室リフォーム実例

和室を洋室にリフォームすることで、どのような空間が生まれるのでしょうか。ここでは、目的別のリフォーム実例をご紹介します。ご自身の理想の暮らしをイメージしてみてください。

リビングとつなげて広い空間に

リビング横の和室の間仕切り壁やふすまを撤去し、一つの広いLDKとして活用するリフォームです。

  • メリット
    空間に広がりが生まれ、家族が集まる開放的なリビングを実現できます。床材や壁紙をリビングと統一することで、一体感のあるおしゃれな空間になります。
  • ポイント
    構造上撤去できない壁や柱がある場合もあります。その場合は、柱をデザインの一部として活かす「見せ柱」にするなどの工夫も素敵です。

子供部屋・勉強部屋へのリフォーム

子供の成長に合わせて、和室を子供部屋に変えるリフォームも非常に人気があります。

  • メリット
    フローリングにすることで掃除がしやすくなり、アレルギー対策にも繋がります。押入れをクローゼットにすれば、子供が自分で服を管理しやすくなります。
  • ポイント
    将来的な使い方も見据えて、シンプルな内装にしておくのがおすすめです。コンセントの数を増やしておくと、学習机やPCの設置にも困りません。

在宅ワーク用の書斎・仕事部屋へ

在宅ワークの普及に伴い、集中できる仕事スペースを求める方が増えています。

  • メリット
    独立した和室をリフォームすれば、生活スペースと仕事場を明確に分けることができます。
  • ポイント
    オンライン会議などに備えて、防音性を高める工夫も有効です。壁に吸音材を入れたり、防音ドアを設置したりすることで、より快適なワークスペースが完成します。デスク周りにコンセントやLAN配線を設置する計画も忘れないようにしましょう。

おしゃれな寝室へのリフォーム

畳の部屋も趣がありますが、ベッドを置くことを考えると洋室の方が使いやすいと感じる方も多いでしょう。

  • メリット
    ベッドの脚による畳のへこみを心配する必要がなくなります。また、間接照明などを取り入れることで、ホテルライクな落ち着いた空間を演出できます。
  • ポイント
    壁紙や床材の色をダークトーンにすると、リラックスできる寝室になります。押入れをウォークインクローゼットにリフォームすれば、収納力も格段にアップします。

相談から完成までの流れと期間

リフォーム初心者の方にとって、何から始めれば良いのか、どのくらいの時間がかかるのかは気になるところです。ここでは、一般的なリフォームの流れと期間の目安を解説します。

STEP1.リフォーム会社探しと相談

まずは、インターネットや知人の紹介でリフォーム会社を探します。気になる会社が見つかったら、Webサイトや電話で問い合わせ、リフォームの希望を伝えて相談します。

STEP2.現地調査と見積もり依頼

リフォーム会社の担当者が実際に家を訪れ、部屋の状況や寸法を確認します(現地調査)。この調査結果とヒアリングした要望をもとに、詳細な見積書とプランが作成されます。

STEP3.契約と工事の準備

提案されたプランと見積もりの内容に納得できたら、正式に工事請負契約を結びます。その後、着工に向けて、内装材の色やデザインの最終決定、工事日程の調整などを行います。

STEP4.工事開始から完成・引き渡し

契約内容に基づき、工事が始まります。工事完了後、リフォーム会社の担当者と一緒に仕上がりをチェックし、問題がなければ引き渡しとなります。

リフォームにかかる期間の目安

工事内容によって期間は異なりますが、一般的な目安は以下の通りです。

  • 床・壁・天井の基本的な内装工事
    約3日~1週間
  • 押入れのクローゼット化などを含む全面リフォーム
    約1週間~2週間

工事中は音や埃が発生するため、近隣への挨拶などもリフォーム会社と相談しながら進めましょう。

リフォーム費用を安く抑えるコツ

少しでも費用を抑えて、賢くリフォームを実現したいですよね。ここでは、費用を安く抑えるための3つのコツをご紹介します。

補助金・助成金制度の活用

国や自治体では、リフォームに関する様々な補助金・助成金制度を実施しています。

  • 対象となる工事の例
    • 省エネ性能を高める断熱リフォーム
    • バリアフリー化のための介護リフォーム
    • 耐震補強工事

すべてのリフォームが対象になるわけではありませんが、条件に合えば費用負担を軽減できます。お住まいの自治体のホームページを確認したり、リフォーム会社に相談してみましょう。

複数社から相見積もりを取る

リフォーム会社を選ぶ際は、必ず2~3社から見積もりを取る「相見積もり」を行いましょう。

  • 相見積もりのメリット
    • 適正価格がわかる
      1社だけの見積もりでは、その金額が高いのか安いのか判断できません。複数社を比較することで、工事内容に見合った適正な価格帯を把握できます。
    • プランを比較できる
      会社によって提案されるプランやデザインは様々です。複数の提案を比較検討することで、より自分の理想に近いプランを見つけられます。
    • 悪徳業者を避けられる
      極端に安い、あるいは高すぎる見積もりを提示する業者を避けることができます。

DIYとプロの施工範囲を分ける

リフォーム費用を抑える方法として、自分でできる範囲はDIYで行うという選択肢もあります。

  • DIYしやすい作業
    • 既存の壁紙の上から貼れるタイプのクロス貼り
    • クッションフロアやフロアタイルの設置
    • 塗装

ただし、電気工事やガスの配管、建物の構造に関わる部分、下地処理などは専門的な知識と技術が必要です。安全のためにも、これらの作業は必ずプロに任せましょう。どこまでを自分で行い、どこからをプロに任せるか、リフォーム会社と相談して決めるのがおすすめです。

失敗しないリフォーム会社の選び方

リフォームの成功は、信頼できるパートナー(リフォーム会社)選びにかかっていると言っても過言ではありません。以下の3つのポイントをチェックして、安心して任せられる会社を選びましょう。

施工実績が豊富か確認する

和室から洋室へのリフォーム実績が豊富な会社を選びましょう。実績が多いということは、それだけ多くのノウハウを蓄積している証拠です。

会社のホームページで施工事例を確認し、自分たちのイメージに近いリフォームを手がけているかチェックしてみてください。ビフォーアフターの写真や、かかった費用、お客様の声などが掲載されていれば、より参考になります。

見積書の内容が詳細で明確か

提示された見積書の内容もしっかり確認しましょう。良いリフォーム会社の見積書は、項目ごとに「単価」「数量」「金額」が細かく記載されています。

逆に、「内装工事一式」のように大雑把な記載しかない場合は注意が必要です。後から追加費用を請求されるトラブルに繋がる可能性もあります。不明な点があれば、契約前に必ず担当者に質問し、納得できるまで説明を求めましょう。

担当者との相性と対応の質

リフォームは、担当者と何度も打ち合わせを重ねながら進めていく共同作業です。そのため、担当者との相性やコミュニケーションの取りやすさは非常に重要です。

  • こちらの要望を親身に聞いてくれるか
  • 専門的な内容を分かりやすく説明してくれるか
  • 質問や相談へのレスポンスが早いか

初回の相談や現地調査の際の対応を見て、信頼できる人物かどうかを見極めましょう。「この人になら安心して任せられる」と思える担当者と出会うことが、満足のいくリフォームへの近道です。

和室から洋室リフォームのQ&A

最後に、和室から洋室へのリフォームに関してよく寄せられる質問にお答えします。

賃貸でもリフォームできる?

賃貸物件の場合、リフォームには大家さんや管理会社の許可が必須です。無断で壁や床を改造すると、退去時に原状回復費用を請求される可能性があります。

ただし、壁に穴を開けずに設置できる棚や、既存の床の上に敷くだけのフロアタイルなど、原状回復が簡単なDIYであれば許可が下りることもあります。まずは規約を確認し、管理者に相談してみましょう。

マンションリフォームの注意点

マンションでリフォームを行う際は、必ず管理規約を確認してください。特に注意が必要なのは以下の点です。

  • 床の防音規定(遮音等級)
    下の階への音漏れを防ぐため、フローリング材の遮音性能に規定(L-45など)が設けられていることがほとんどです。
  • 工事可能な時間帯
    平日の日中のみなど、工事ができる曜日や時間が決められています。
  • 共用部分の養生
    資材の搬入・搬出時にエレベーターや廊下を傷つけないよう、養生に関するルールが定められています。

これらの規約を守らないと、工事の中断やトラブルに繋がるため、事前にリフォーム会社と共有しておくことが重要です。

仏壇がある場合はどうする?

和室に仏壇がある場合、リフォーム後の置き場所に悩む方も多いでしょう。選択肢としては、以下のような方法が考えられます。

  • 移動・一時保管
    工事期間中は、別の部屋に一時的に移動します。リフォーム会社によっては、一時保管サービスを提供している場合もあります。
  • 洋室に合う仏壇置き場を造作
    クローゼットの一部を仏壇スペースにしたり、リビングの一角にモダンなデザインの仏壇置き場を設けたりすることも可能です。
  • 仏壇の買い替え・供養
    リフォームを機に、洋室のインテリアに合うコンパクトなモダン仏壇に買い替える方もいます。

いずれの場合も、ご家族や親族とよく話し合って決めることが大切です。

床だけ・壁だけなど部分的な工事は可能?

もちろん可能です。「まずは畳をフローリングにするだけ」「古くなった壁紙を張り替えるだけ」といった部分的なリフォームにも、多くのリフォーム会社が対応してくれます。

予算やライフプランに合わせて、段階的にリフォームを進めていくのも賢い方法です。気になる箇所から手軽に始めてみてはいかがでしょうか。


和室から洋室へのリフォームは、あなたの暮らしをより豊かで快適なものに変える大きな一歩です。この記事で得た知識をもとに、ぜひ理想の住まいづくりを実現してください。

豊栄建設家づくり編集部

家づくりのヒントや住まいの最新情報を分かりやすくご紹介。皆さまの理想の住まいづくりにお役立てください。

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