「和室の畳が古くなってきた…」「洋風のインテリアと合わない…」
そんなお悩みはありませんか?畳の部屋を手軽にイメージチェンジしたいと考えているものの、本格的なリフォームは費用も時間もかかりそうで、なかなか踏み出せない方も多いでしょう。
特に賃貸物件にお住まいの場合、大掛かりな工事は難しいですよね。
この記事では、そんなお悩みを解決するため、畳の上に敷くだけで簡単にフローリング化できるDIYの方法を徹底解説します。DIY初心者の方でも安心して取り組めるように、具体的な手順や費用、注意点まで詳しくご紹介します。
この記事を読めば、あなたの和室が理想の空間に生まれ変わる第一歩を踏み出せるはずです。
この記事の目次
畳をフローリングにする3つの簡単DIY方法
畳の部屋をフローリングに変える方法は、大きく分けて「DIY」と「業者によるリフォーム」の2つがあります。中でも、費用を抑えて手軽に始めたい方には、畳の上に敷くだけのDIYがおすすめです。
ここでは、初心者でも挑戦しやすい代表的な3つの方法をご紹介します。
方法1. 置くだけで完成「ウッドカーペット」
ウッドカーペットとは、木製の板を布地などに貼り合わせてカーペット状にした製品です。畳の上に広げるだけで、あっという間にフローリングの空間が完成します。
- メリット
- 施工が最も簡単で、部屋のサイズに合ったものを選べば置くだけで完了します。
- 接着剤やテープを使わないため、賃貸物件でも原状回復が容易です。
- 一枚板のような見た目で、つなぎ目が少なく美しい仕上がりになります。
- デメリット
- サイズが大きいため、一人で運んだり設置したりするのが大変な場合があります。(分割タイプもあります)
- 柱や壁の形に合わせてカットするのが難しいです。
- 他の方法に比べて価格がやや高めになる傾向があります。
方法2. デザインが豊富な「フロアタイル」
フロアタイルとは、塩化ビニル素材でできた正方形や長方形の硬いタイルのことです。一枚ずつ並べて敷き詰めていくことで、フローリングの床を再現します。
- メリット
- 木目調だけでなく、石目調などデザインのバリエーションが非常に豊富です。
- 本物の木材のようなリアルな質感を表現できる製品も多く、本格的な見た目に仕上がります。
- カッターで簡単にカットできるため、部屋の形に合わせて調整しやすいです。
- デメリット
- 一枚ずつ敷き詰めるため、ウッドカーペットに比べて手間と時間がかかります。
- 製品によっては裏面に接着剤が必要なタイプもあり、賃貸での使用には注意が必要です。(置くだけの吸着タイプがおすすめです)
方法3. 安価で手軽な「クッションフロア」
クッションフロアとは、塩化ビニル素材でできたシート状の床材です。その名の通りクッション性があり、水に強いのが特徴です。
- メリット
- 材料費が最も安く、コストを最優先したい場合に最適です。
- 防水性が高く、汚れも拭き取りやすいため、キッチンや洗面所などにも使われます。
- ハサミやカッターで簡単にカットでき、加工がしやすいです。
- デメリット
- 柔らかいため、重い家具を置くと跡がつきやすいです。
- ウッドカーペットやフロアタイルに比べると、見た目の高級感は劣る場合があります。
- 設置時にシワになりやすく、きれいに敷くには少しコツが必要です。
【DIY・リフォーム別】畳からフローリングにする費用相場
畳からフローリングにする際、最も気になるのが費用ですよね。ここでは、「DIYで敷くだけの場合」と「業者にリフォームを依頼する場合」の費用相場を、代表的な部屋の広さである6畳と8畳で比較してみましょう。
DIYで「敷くだけ」の場合の費用(6畳・8畳)
DIYの場合、費用は主にフローリング材の購入費のみです。選ぶ材料によって価格が大きく異なります。
材料の種類 | 6畳の費用相場 | 8畳の費用相場 |
---|---|---|
ウッドカーペット | 15,000円~40,000円 | 20,000円~55,000円 |
フロアタイル | 12,000円~50,000円 | 18,000円~70,000円 |
クッションフロア | 8,000円~25,000円 | 10,000円~35,000円 |
※上記に加えて、カビ・ダニ対策のための防虫・防湿シート代(2,000円~5,000円程度)がかかる場合があります。
業者にリフォームを依頼する場合の費用(6畳・8畳)
業者に本格的なリフォームを依頼する場合、畳を剥がして下地から作り直す工事が一般的です。費用には材料費のほか、工事費や廃材処分費などが含まれます。
- 6畳の費用相場: 約9万円~20万円
- 8畳の費用相場: 約12万円~25万円
主な費用の内訳
- 既存の畳の撤去・処分費: 約1万円~3万円
- 下地(根太)の補修・調整費: 約2万円~5万円
- フローリング材費: 約3万円~8万円(使用する木材による)
- 施工費(工事費): 約3万円~7万円
DIYとリフォームの費用・工期比較
比較項目 | DIY(敷くだけ) | 業者によるリフォーム |
---|---|---|
費用(6畳) | 約1万円~5万円 | 約9万円~20万円 |
工期 | 半日~1日 | 2日~4日 |
仕上がりの質 | 製品によるが、比較的簡易的 | 本格的で高品質 |
原状回復 | 可能(ウッドカーペットなど) | 不可 |
メリット | 安い、早い、賃貸でも可能 | 耐久性が高い、床のレベル調整も可能 |
デメリット | 耐久性はリフォームに劣る、床の沈み込みリスク | 高い、時間がかかる、賃貸では不可 |
【目的別】敷くだけフローリング材の選び方と比較
「自分にはどの方法が合っているんだろう?」と迷う方のために、目的別におすすめのフローリング材をご紹介します。
賃貸で原状回復必須なら「ウッドカーペット」
賃貸物件にお住まいで、退去時の原状回復が必須な場合は「ウッドカーペット」が最もおすすめです。接着剤を使わずに置くだけなので、畳を傷つける心配がありません。退去時には丸めて運び出すだけで元に戻せます。
本格的な見た目重視なら「フロアタイル」
DIYでもリフォームしたような本格的な見た目を追求したいなら「フロアタイル」を選びましょう。特に、表面に凹凸加工が施された製品は、本物の木材と見間違うほどのリアルな質感が楽しめます。デザイン性が高いので、こだわりのインテリアを実現したい方にぴったりです。
費用を最優先するなら「クッションフロア」
とにかく安く、手軽に部屋の雰囲気を変えたいという場合は「クッションフロア」が最適です。他の材料に比べて圧倒的にコストを抑えられます。防水性も高いので、小さなお子様やペットがいるご家庭で、食べこぼしや汚れが気になる場合にも向いています。
メリット・デメリット比較一覧表
比較項目 | ウッドカーペット | フロアタイル | クッションフロア |
---|---|---|---|
費用(安さ) | △ | 〇 | ◎ |
施工の簡単さ | ◎ | 〇 | 〇 |
デザイン性 | 〇 | ◎ | 〇 |
耐久性 | 〇 | ◎ | △ |
原状回復 | ◎ | 〇 | △ |
おすすめな人 | 賃貸、手軽さ重視 | 見た目、デザイン重視 | 費用、手入れのしやすさ重視 |
畳の上にフローリングを敷くDIY手順【初心者向け】
ここからは、実際に畳の上にフローリング材を敷く際の基本的な手順を4つのステップで解説します。
STEP1. 部屋の採寸と畳の掃除
- 正確な採寸が成功のカギ
まずは部屋の縦と横の長さを正確に測ります。柱や出っ張りがある場合は、その部分も細かく採寸しましょう。壁際はまっすぐでないことも多いため、必ず2~3カ所を測って、一番長い部分を基準に材料を注文するのが失敗しないコツです。 - 畳の表面をきれいに
採寸が終わったら、畳の上のホコリやゴミを掃除機でしっかりと吸い取ります。その後、固く絞った雑巾で畳の目に沿って拭き掃除をし、十分に乾燥させましょう。
STEP2. 畳の湿気・カビ対策(防虫・防湿シート)
- カビ・ダニ対策は必須
畳の上にフローリング材を敷くと、畳が呼吸できなくなり湿気がこもりやすくなります。これがカビやダニの発生原因になるため、必ず防虫・防湿シートを敷きましょう。この一手間が、後々のトラブルを防ぐ上で非常に重要です。シートはホームセンターやネット通販で手に入ります。
STEP3. フローリング材の設置とカット
ウッドカーペットの場合
部屋のサイズに合ったものを広げるだけです。大きい場合は、二人以上で作業するとスムーズです。
フロアタイル・クッションフロアの場合
- 基準線を引く
部屋の中央に基準となる直線を引くと、きれいに並べやすくなります。 - 壁際から敷き始める
フロアタイルは壁際から一枚ずつ隙間なく並べていきます。クッションフロアは、少し大きめにカットしたものを広げ、壁に沿って余分な部分をカットしていきます。 - カットは慎重に
柱や角の部分は、型紙を作ってからカットすると失敗が少なくなります。カッターを使う際は、下にカッターマットを敷いて床を傷つけないように注意しましょう。
STEP4. 端の処理と固定
- 端の処理で見栄えアップ
敷き終わったら、壁際や出入り口の段差部分を処理します。クッションフロアや吸着タイプのフロアタイルが浮いてしまう場合は、端を両面テープや専用の接着剤で固定します。 - 見切り材を活用
敷居との段差が気になる場合は、「見切り材」や「段差解消スロープ」を使うと、つまずき防止になり見た目もきれいになります。
畳の上にフローリングを敷く際の注意点と対策
手軽なDIYですが、いくつか知っておくべき注意点があります。事前に対策を理解しておきましょう。
畳のカビ・ダニの発生リスクと予防策
最も注意すべきは、湿気によるカビやダニの発生です。
- 対策1. 防虫・防湿シートを必ず敷く
前述の通り、フローリング材を敷く前に必ずシートを敷いてください。 - 対策2. 定期的な換気
天気の良い日には窓を開けて、部屋全体の空気を入れ替えることを習慣にしましょう。 - 対策3. 畳が古い場合は交換も検討
すでに畳が湿っていたり、カビ臭かったりする場合は、フローリング化する前に畳の交換や専門業者によるクリーニングを検討することをおすすめします。
床の沈み込み・きしみ音の対策
畳はもともと柔らかいため、上を歩くと少し沈み込んだり、きしみ音が発生したりすることがあります。
- 対策1. 硬めのフローリング材を選ぶ
クッションフロアよりは、フロアタイルやウッドカーペットの方が沈み込みを感じにくいです。 - 対策2. 畳のヘタリを確認
歩いたときに畳が大きく凹む場合は、畳自体の寿命が近いサインです。この状態で上に敷いても不安定なため、畳の表替えや新調を検討しましょう。
襖やドアとの段差・干渉問題の解決法
フローリング材を敷くと、その厚みの分だけ床が高くなります。これにより、襖やクローゼットのドアが開かなくなることがあります。
- 対策1. 事前に厚みを確認
購入前にフローリング材の厚みを確認し、ドアの下の隙間に収まるかチェックしましょう。 - 対策2. ドアや襖の調整
もし干渉してしまう場合は、ドアや襖の下部をカンナで削るなどの調整が必要です。賃貸の場合は管理会社に相談しましょう。
賃貸物件での原状回復のポイント
賃貸物件でDIYを行う際は、退去時の原状回復を常に意識する必要があります。
- 対策1. 接着剤を使わない
ウッドカーペットや、置くだけの吸着タイプのフロアタイルを選びましょう。 - 対策2. 養生テープを活用する
床材の固定にテープが必要な場合は、跡が残りにくい「養生テープ」の上に両面テープを貼るなどの工夫をすると、畳を傷めずに済みます。 - 対策3. 契約書を確認する
念のため、賃貸契約書で禁止事項を確認しておくことをおすすめします。
畳のフローリング化に関するよくある質問
女性一人でも作業できますか?
はい、可能です。
フロアタイルやクッションフロアは材料が軽く、カットもしやすいため、女性一人でも十分に作業できます。ウッドカーペットは重くて大きいですが、2枚に分かれた「分割タイプ」を選べば、一人でも扱いやすくなります。
重い家具は置いても大丈夫ですか?
基本的には大丈夫ですが、注意が必要です。
特にクッションフロアは柔らかいため、長期間重い家具を置くと跡が残りやすいです。家具の脚の下に「保護パッド」や「あて板」を敷くことで、へこみを防ぐことができます。ウッドカーペットやフロアタイルは比較的丈夫ですが、一点に荷重が集中しないように工夫すると良いでしょう。
フローリングの上でこたつは使えますか?
製品によりますが、注意が必要です。
多くのフローリング材は熱に弱く、こたつを使用すると変形や変色の原因になることがあります。「床暖房・ホットカーペット対応」と記載のある製品を選ぶようにしてください。対応していない製品の場合は、こたつの下に断熱シートを敷くなどの対策が必要ですが、安全のためメーカーの指示に従うのが最善です。
畳を剥がして自分でリフォームはできますか?
可能ですが、DIY上級者向けです。
畳を剥がすと、その下は多くの場合、高さが不揃いな「根太(ねだ)」という骨組みの状態です。フローリングを張るには、まず合板などを張って水平な下地を作る必要があります。専門的な知識と技術が必要なため、初心者の方にはおすすめできません。持ち家で本格的なリフォームをしたい場合は、専門業者に相談するのが安心です。
まとめ
畳の部屋をフローリングに変えることは、「敷くだけ」のDIYなら費用を抑えて手軽に実現できます。
- とにかく手軽で賃貸向けなら「ウッドカーペット」
- デザインと本格的な見た目を重視するなら「フロアタイル」
- コストを最優先するなら「クッションフロア」
それぞれのメリット・デメリットを理解し、あなたの目的やライフスタイルに合った方法を選びましょう。
DIYで最も大切なポイントは、畳の湿気対策として「防虫・防湿シート」を必ず使用することです。この一手間を惜しまないことが、カビやダニを防ぎ、快適な空間を長持ちさせる秘訣です。
この記事を参考に、ぜひあなたの手で和室のイメージチェンジに挑戦してみてください。きっと、今よりもっとお部屋のことが好きになるはずです。