注文住宅3LDKの間取りと費用!平屋30坪実例集

「家族が増えたから、そろそろマイホームを…」と考えたとき、多くの人が候補に挙げるのが「3LDK」の間取りではないでしょうか。特に、子育て世代に人気の注文住宅では、自分たちの暮らしに合わせた理想の3LDKを実現できます。

この記事では、注文住宅で3LDKを検討しているあなたのために、人気の間取り実例から建築費用の相場、後悔しないためのポイントまで、専門家の視点で分かりやすく解説します。特に要望の多い「30坪の平屋」についても詳しくご紹介しますので、ぜひ家づくりの参考にしてください。

【間取り図付】3LDK注文住宅の人気実例集

まずは、具体的なイメージを掴むために、人気の3LDK間取り実例を見ていきましょう。

35坪・二階建ての3LDK間取り事例

約35坪の二階建ては、プライベート空間を重視したい家族におすすめの間取りです。

1階にLDKと水回りをまとめ、2階に主寝室と子ども部屋を配置するのが一般的なプラン。生活空間と就寝スペースをフロアで分けることで、生活リズムが異なる家族でもお互いに気兼ねなく過ごせます。

例えば、夜遅くに帰宅したお父さんが1階で過ごしていても、2階で眠る子どもの邪魔になりにくいのがメリットです。また、平屋に比べて建築面積を抑えられるため、比較的コンパクトな土地でも建てやすいという特徴があります。

家事動線を考えた回遊間取り

家事の効率を格段にアップさせるのが「回遊間取り」です。

これは、キッチンからパントリー(食品庫)、洗面脱衣室、ファミリークローゼットへと、ぐるりと一周できる動線を確保した間取りのこと。「行き止まり」がないため、移動がスムーズになり、料理・洗濯・片付けといった一連の家事を効率よくこなせます。

例えば、「洗濯機を回しながら朝食の準備をし、乾いた服はそのままファミリークローゼットへ」といった流れがスムーズに行えるため、共働きで忙しいご家庭に特に人気があります。

収納豊富なウォークインクローゼット付間取り

すっきりとした暮らしを実現するためには、十分な収納計画が不可欠です。

主寝室に大容量のウォークインクローゼット(WIC)を設けるのはもちろん、玄関横に靴やベビーカーをしまえるシューズクローク(SIC)、キッチン横に食料品をストックできるパントリーを配置するのがおすすめです。

「使う場所に使うものをしまう」という原則に基づき、適材適所に収納を設けることで、家全体が散らかりにくくなります。注文住宅なら、家族の持ち物やライフスタイルに合わせた最適な収納計画を実現できます。

3LDK注文住宅の費用相場と内訳

理想の間取りが見えてきたら、次に気になるのは「一体いくらかかるの?」という費用面ですよね。ここでは、3LDKの注文住宅を建てる際の費用相場と、知っておくべき費用の内訳について解説します。

建築費用の総額相場と坪単価

住宅金融支援機構の「2022年度 フラット35利用者調査」によると、注文住宅の建築費用(土地代は除く)の全国平均は3,717万円です。

また、家の価格を表す指標として「坪単価」があります。坪単価とは、建物の床面積1坪(約3.3㎡)あたりの建築費のことです。ハウスメーカーや工務店、建物の仕様によって大きく異なりますが、一般的な木造住宅の場合、坪単価の目安は60万円~100万円程度とされています。

(参考:住宅金融支援機構 2022年度 フラット35利用者調査)

坪数別(30坪・35坪)の費用目安

上記の坪単価を基に、坪数別の建築費用をシミュレーションしてみましょう。

  • 30坪の注文住宅
    坪単価60万円~100万円の場合、建築費用は約1,800万円~3,000万円が目安です。
  • 35坪の注文住宅
    坪単価60万円~100万円の場合、建築費用は約2,100万円~3,500万円が目安です。

ただし、これはあくまで目安の金額です。設備のグレードや建材、依頼する会社によって費用は大きく変動します。

本体工事費・別途工事費・諸費用

注文住宅の総費用は、大きく分けて以下の3つで構成されます。

  • 本体工事費
    建物そのものを建てるための費用で、総費用の約70~80%を占めます。基礎工事、構造工事、内外装工事などが含まれます。
  • 別途工事費
    建物本体以外にかかる工事費用で、総費用の約15~20%を占めます。地盤改良工事、外構工事、給排水・ガス工事、空調工事などがこれにあたります。
  • 諸費用
    工事以外にかかる手続き上の費用などで、総費用の約5~10%を占めます。登記費用、住宅ローン手数料、火災保険料、印紙税などが含まれます。

見積もりを取る際は、総額に何が含まれているのかをしっかり確認することが重要です。

費用を抑えるためのコストダウン術

予算内で理想の家を建てるためには、コストダウンの工夫も大切です。

  • 建物の形をシンプルにする
    凹凸の多い複雑な形状よりも、正方形や長方形のシンプルな「総二階」の家の方が、材料費や手間が少なくなりコストを抑えられます。
  • 屋根の形をシンプルにする
    複雑な形状の屋根はコストが上がるだけでなく、雨漏りのリスクも高まります。シンプルな切妻屋根や片流れ屋根がおすすめです。
  • 水回りをまとめる
    キッチン、浴室、トイレなどの水回りを1階に集中させることで、配管工事の費用を削減できます。
  • 部屋数を減らし、間仕切りを少なくする
    壁やドアが少ないほど、材料費や工事費を抑えられます。将来、間仕切り壁を追加できるような設計にしておくのも一つの手です。
  • 施主支給を活用する
    照明器具やカーテン、エアコンなどを自分で購入して取り付けてもらう「施主支給」を利用すると、費用を抑えられる場合があります。ただし、対応可能かどうかは事前にハウスメーカーや工務店に確認が必要です。

平屋か二階建てか?3LDKの比較

3LDKを建てる際、多くの人が悩むのが「平屋」と「二階建て」のどちらを選ぶかです。それぞれのメリット・デメリットを理解し、自分たちのライフスタイルに合った方を選びましょう。

平屋3LDKのメリット・デメリット

メリット

  • 生活動線・家事動線がシンプル
    すべての部屋がワンフロアにあるため、移動が楽で家事も効率的に行えます。
  • 家族とのコミュニケーションが取りやすい
    自然と顔を合わせる機会が増え、家族の繋がりを育みやすい環境です。
  • バリアフリーで将来も安心
    階段がないため、小さなお子様や高齢者も安全に暮らせます。老後のリフォーム費用も抑えられます。
  • メンテナンスがしやすい
    屋根や外壁のメンテナンス時に、二階建てに比べて大掛かりな足場が不要なため、費用を抑えられます。

デメリット

  • 広い土地が必要
    同じ延床面積の二階建てと比べて、広い敷地面積が必要になります。
  • 坪単価が高くなる傾向
    基礎と屋根の面積が大きくなるため、坪単価は二階建てよりも割高になる傾向があります。
  • プライバシーの確保が難しい場合も
    すべての部屋が同じ階にあるため、個々のプライベート空間を確保するための工夫が必要です。

二階建て3LDKのメリット・デメリット

メリット

  • 狭い土地でも建てられる
    建物を縦に伸ばすため、限られた敷地でも必要な床面積を確保しやすいです。
  • プライベート空間を確保しやすい
    1階と2階でパブリックスペースとプライベートスペースを明確に分けられます。
  • 眺望や日当たりを確保しやすい
    周辺に建物があっても、2階にリビングを設けるなどで良好な眺望や日当たりを確保しやすくなります。

デメリット

  • 階段の上り下りが負担になる
    毎日の掃除や洗濯物の移動、老後の生活を考えると、階段が負担になる可能性があります。
  • 家族が顔を合わせる機会が減ることも
    子どもが自室にこもりがちになるなど、家族間のコミュニケーションが希薄になる可能性も指摘されます。
  • メンテナンス費用が割高に
    外壁や屋根のメンテナンス時に足場を組む必要があり、平屋に比べて費用が高くなる傾向があります。

家族構成や土地の条件に合う選び方

「結局、うちはどっちがいいの?」と迷ったら、以下の点を基準に考えてみましょう。

  • 土地の広さと予算
    広い土地を確保できるなら平屋、土地の予算を抑えたいなら二階建てが選択肢になります。
  • 周辺環境
    日当たりやプライバシーを重視するなら、2階リビングの二階建てなども有効です。
  • ライフステージ
    子育て真っ最中の今は二階建てでも、将来の暮らしを考えてバリアフリーな平屋を選ぶという考え方もあります。

最終的には、自分たちがどんな暮らしをしたいかをイメージすることが最も大切です。

後悔しない3LDK間取りづくりのポイント

せっかくの注文住宅、建ててから「こうすれば良かった…」と後悔したくないですよね。ここでは、失敗しないための間取りづくりのポイントを4つご紹介します。

効率的な生活動線と家事動線

暮らしやすさを左右するのが「動線」です。特に以下の2つの動線は意識して計画しましょう。

  • 帰宅動線
    「玄関 → 手洗い → リビング」や「玄関 → シューズクローク → パントリー → キッチン」など、帰宅後の動きがスムーズになるように設計します。
  • 洗濯動線
    「洗う → 干す → たたむ → しまう」という一連の作業が最短距離で完結するように、洗面脱衣室、物干しスペース、ファミリークローゼットを近くに配置するのが理想です。

採光と風通しを確保する設計

明るく風通しの良い家は、心身ともに健康的な暮らしの基本です。

  • 窓の配置
    ただ大きな窓をつけるだけでなく、風の通り道ができるように、対角線上に窓を配置するのが効果的です。
  • 吹き抜けや高窓の活用
    リビングに吹き抜けを設けたり、高い位置に窓(高窓)を設置したりすることで、家の奥まで光を取り込み、開放的な空間を演出できます。

適材適所の収納計画

収納は量だけでなく、「どこに」「何を」しまうかを計画することが重要です。

  • 玄関
    シューズクロークを設けて、靴だけでなく、傘、ベビーカー、アウトドア用品なども収納できるようにします。
  • キッチン
    パントリーを設けて、食料品や普段使わない調理器具をストックします。
  • リビング
    壁面収納や造作棚を活用し、本や子どものおもちゃなどをすっきり片付けられるようにします。
  • 洗面所
    タオルや洗剤、着替えなどをしまえる収納棚を確保します。

将来の家族構成の変化に対応

家は長く住むもの。将来のライフステージの変化にも対応できる柔軟な間取りを考えておきましょう。

  • 子ども部屋
    子どもの成長に合わせて、最初は広い一部屋として使い、将来的に壁や家具で二部屋に仕切れるように設計しておく。
  • 可変性のある空間
    1階に和室やフリースペースを設けておけば、客間や子どもの遊び場、将来は寝室として使うなど、多目的に活用できます。

おしゃれな3LDKの内装・外観デザイン集

性能や間取りだけでなく、デザインにもこだわりたいのが注文住宅の醍醐味です。ここでは、人気のデザイン事例を3つご紹介します。

開放感を演出するリビング事例

リビングを広く見せるには、吹き抜けや勾配天井、大きな窓(掃き出し窓)を取り入れるのが効果的です。視線が縦横に抜けることで、実際の面積以上の開放感が生まれます。白を基調とした壁紙に、無垢材のフローリングを合わせれば、明るくナチュラルな空間になります。

スタイリッシュなモダン外観事例

近年人気なのが、黒やグレーのガルバリウム鋼板を使った、シンプルでスタイリッシュな外観です。箱を組み合わせたようなスクエアなフォルムに、木目調のサイディングや塗り壁をアクセントとして加えることで、無機質になりすぎず、温かみのあるモダンな印象に仕上がります。

温かみのあるナチュラル内装事例

無垢材の床や梁、漆喰の壁など、自然素材をふんだんに使ったナチュラルな内装は、根強い人気があります。木の香りに包まれ、経年変化を楽しみながら暮らせるのが魅力です。アイアンの照明や家具を組み合わせると、カフェのようなおしゃれな空間を演出できます。

3LDKの基本知識Q&A

最後に、3LDKに関する基本的な疑問にお答えします。

3LDKとは?2LDKとの違い

「3LDK」とは、LDK(リビング・ダイニング・キッチン)に加えて、居室が3つある間取りのことです。同様に、「2LDK」はLDK+居室2つを指します。LDKの広さには明確な定義はありませんが、不動産公正取引協議会連合会の基準では、居室が2つ以上の場合、LDKは10畳以上の広さが目安とされています。

3LDKにおすすめの家族構成

3LDKは、夫婦+子ども1〜2人の3〜4人家族に最もおすすめの間取りです。夫婦の主寝室、子ども部屋、そしてもう一部屋は予備の子ども部屋や、書斎、趣味の部屋、来客用の部屋など、ライフスタイルに合わせて柔軟に活用できます。

必要な土地の広さと坪数

3LDKを建てるのに必要な坪数は、一般的に28坪~35坪程度が目安です。

必要な土地の広さは、建てたい家の坪数と、その土地に定められた「建ぺい率(敷地面積に対する建築面積の割合)」によって決まります。

例えば、建ぺい率50%の土地に30坪の平屋(建築面積30坪)を建てる場合、最低でも60坪の土地が必要です。一方、1階と2階が各15坪の二階建て(建築面積15坪)なら、30坪の土地で建てることが可能です。土地探しをする際は、この建ぺい率も必ず確認しましょう。

まとめ

今回は、注文住宅で3LDKを建てるための間取り、費用、後悔しないためのポイントについて詳しく解説しました。

  • 3LDKは3〜4人家族に最適で、特に30坪前後の平屋が人気
  • 建築費用の総額相場は3,700万円前後だが、坪数や仕様で大きく変動する
  • 平屋と二階建てにはそれぞれメリット・デメリットがあり、ライフスタイルに合わせて選ぶことが重要
  • 後悔しないためには「動線」「採光」「収納」「将来性」を意識した間取り計画が不可欠

理想のマイホームを実現するためには、情報収集が第一歩です。この記事を参考に、ぜひご家族で「どんな暮らしがしたいか」を話し合ってみてください。そして、気になったハウスメーカーや工務店の「カタログ請求」「住宅展示場への訪問」で、さらに具体的なイメージを膨らませていきましょう。

この記事の担当:

豊栄建設家づくり編集部

家づくりのヒントや住まいの最新情報を分かりやすくご紹介。皆さまの理想の住まいづくりにお役立てください。

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