家を安く建てる方法を徹底解説!コストダウンのコツと注意点

家を建てるとなると、どうしても高額な費用がかかるイメージがありますが、工夫次第で安く建てられます。間取りや仕様、業者選びを見直すことで、予算内でも満足度の高い住まいを実現できるでしょう。

本記事では、家を安く建てるための具体的な方法や注意点、ハウスメーカーの選び方、資金計画まで幅広く解説します。

家を安く建てるための具体的な方法

家を建てる際の費用を抑えるには、設計や施工、資金計画における工夫がカギとなります。

ここでは、コストダウンに効果的な13の方法をご紹介します。

1.ローコスト住宅を選択する
2.シンプルな外観・間取りにする
3.総二階建てにする
4.水回りをまとめる
5.内装・設備のグレードを下げる
6.地元工務店に依頼する
7.建築時期を工夫する
8.自分でできる作業はDIYする
9.土地の形状や地盤を考慮する
10.複数の業者から見積もりを取る
11.収納はデッドスペースを活用する
12.打ち合わせの回数を減らす
13.内装・設備は標準仕様を選ぶ

1.ローコスト住宅を選択する

家を安く建てたいなら、ローコスト住宅を検討しましょう。ローコスト住宅とは、間取りや仕様を標準化し、材料調達や工期を効率化することでコストを削減した住宅です。注文住宅に比べると自由度は下がりますが、その分価格が明確で予算管理がしやすくなります。特に、初めての家づくりで不安が多い方には、選択肢として有力です。

2.シンプルな外観・間取りにする

凹凸の多い複雑な外観や、動線に無駄の多い間取りは、建築コストを押し上げる要因になります。設計や施工において作業工程が複雑化し、資材の量や種類も多様化するためです。以下の工夫でコストを抑えられます。

工夫コスト削減のポイント
外観は箱型のシンプルな形状にする資材や施工工数が少なく、効率的に建てられる
間取りは廊下を最小限に抑えた設計にする無駄なスペースが減り、生活動線がコンパクトになる
構造をシンプルにする耐震性が確保しやすく、将来的なメンテナンス費用も抑えられる

3.総二階建てにする

家の形状は、建築コストに影響します。延床面積が同じ二階建てでも「総二階建て」の方が安く建てられます。総二階建ては、1階と2階の面積がほぼ同じで、真四角や長方形のようなシンプルな形状の家です。建物の形が単純になるため、構造的にも強く、材料の無駄が少なくなります。また、間取りも効率的に設計しやすく、住みやすさとコストのバランスをとりたい方におすすめの構造です。

4.水回りをまとめる

キッチン・トイレ・浴室・洗面台などの水回り設備は、配管工事に多くの費用がかかります。これらを1か所に集中させたり、2階のトイレを1階の真上に配置したりすると、配管の長さが短くなり、施工費の節約が可能です。さらに、将来的な修繕やメンテナンスも簡単になり、長期的なコストダウンにもつながります。

5.内装・設備のグレードを下げる

キッチンやユニットバス(浴室)などの住宅設備は、グレードを下げるだけで数十万円単位のコスト削減が可能です。たとえば、乾燥暖房や肩湯といった最新機能のついた高級設備よりも、標準仕様のシンプルなモデルを選ぶだけで節約になります。

また、内装材の選び方でもコストを抑えられます。たとえば、無垢材よりも合板フローリングを選んだり、塗り壁ではなくビニールクロスを選んだりすると、施工費を抑え、工期も短縮できるでしょう。

将来的に好みの設備へリフォームする前提で「今は最低限」で割り切るのも一つの手段です。

6.地元工務店に依頼する

大手ハウスメーカーは、広告費や展示場の維持管理などが価格に上乗せされている場合が多く、結果として高額になりがちです。一方、地域密着型の地元工務店は、下請け業者による中間マージンが少なく、家を安く建てやすい傾向にあります。また、地盤の強さや気候の特徴など、”地元”をよく知っています。信頼できる工務店を選べば、価格と性能のバランスが良く、コストパフォーマンスの高いプランを提案してもらえるでしょう。

7.建築時期を工夫する

住宅業界には「繁忙期」と「閑散期」があります。タイミングをずらすことで、人件費や資材コストを抑えられるでしょう。年度末や引っ越しシーズンに重なる3〜4月、9〜10月は需要が高まり、職人の確保が難しくなるうえに、人件費が高騰しやすい傾向にあります。一方で1月や6月などの閑散期は、工事スケジュールに余裕があり、価格交渉がしやすいです。また、各自治体の補助金や助成金の申請スケジュールとタイミングを合わせれば、さらにコストダウンが見込めます。

8.自分でできる作業はDIYする

すべてを業者任せにせず、自分でできる作業はDIYすると建築費用を節約できます。以下のような作業は、比較的取り組みやすく、材料費だけで済みます。

工夫コスト削減のポイント
内装壁の塗装色や仕上げにこだわりたい方におすすめ(寝室や子ども部屋などの個室はチャレンジしやすい)
棚の取り付け(例:玄関横のシューズクローゼットなど)既製品を活用すれば、コストを抑えて収納力アップ(人目につきにくい場所なら、多少見栄えが悪くても問題なし)

DIYを行う際は、あらかじめ施工会社にその予定を伝えておくと良いです。構造や耐久性に関わる工事は専門業者に任せ、安全性を確保してください。

9.土地の形状や地盤を考慮する

土地は、購入費だけでなく整地するための工事や地盤の補強など、予想外の費用がかかることがあります。コストがかさむ土地の特徴と、選ぶ際の注意点を抑えましょう。

▼コストが高くなる土地の特徴

特徴理由
傾斜地・変形地建築制限や基礎工事の複雑化で費用が増加する
地盤が軟弱な土地地盤改良が必要になり、100万円以上の追加費用がかかる場合もある

▼土地選びの注意点

ポイント理由
整形地を選ぶシンプルな形状の土地は設計しやすく、無駄な費用も発生しにくい
近隣の建築実績を調べる地盤調査データや施工事例から土地の特性を把握できる

10.複数の業者から見積もりを取る

同じ家を建てる場合でも、依頼先によって費用は異なります。複数の業者から見積もりを取れば、価格の妥当性を判断しやすくなり、結果的に建築コストの削減につながります。

<なぜ安くなる?>

業者によって人件費・下請け構造・仕入れルートが異なるため、諸経費や工事費に差が出る

▼見積もり比較で見るべきポイント

・坪単価や諸経費の内訳
・標準仕様の範囲とオプション費用
・提案内容や対応力(説明の丁寧さなど)

11.収納はデッドスペースを活用する

デッドスペースを活用すれば、家を安く建てつつ、収納力を確保できます。

▼代表的な活用例

場所活用方法
階段下のスペース可動棚や引き出し収納でデッドスペースを有効活用
壁の厚み(ニッチ収納)洗面所や玄関などに埋め込み型の棚を設置できる
床下収納キッチンや洗面脱衣所でのストック収納に便利

また、すべてを造作家具にせず、部分的に既製品や可動棚を取り入れるとさらにコストを抑えられます。

12.打ち合わせの回数を減らす

何度も打ち合わせを重ねると、そのたびに人件費や設計費用が積み重なっていきます。事前に希望や条件を整理し、要点を絞ったやり取りを心がけると、不要なコストを防げます。メールや電話、オンライン会議の活用が効率化に役立つでしょう。

13.内装・設備は標準仕様を選ぶ

注文住宅では設備や建材のグレードを自由に選べる反面、オプション(標準仕様に含まれないもの)を追加するたびに費用がかさみます。家を安く建てるには、標準仕様の中で選ぶことを前提に、過剰なアップグレードを避けるのが鉄則です。

「オプション」とは、基本プランには含まれていない機能や仕様のことで、施主の希望で追加できる有料のアップグレード項目です。標準のままで問題ない部分を取捨選択しましょう。

<例:水回り>
・タッチレス水栓
・自動洗浄トイレ
・浴室のミストサウナ機能や浴室テレビ

また、将来的にリフォームで変更する余地がある箇所は、無理にこだわらず、現段階では最低限の仕様に留めておくと、初期費用を抑えた家づくりができます。

家を安く建てる際の注意点

家を安く建てることだけに注力すると、施工品質の低下や将来的な不具合につながるおそれがあります。後悔が残らないように、価格と品質のバランスを見極めましょう。

業者選び

価格の安さだけで業者を選ぶのは危険です。極端に安い見積もりには、工事内容の省略やアフター対応の不十分さが隠れている場合があります。たとえば「他社より100万円以上安い」と契約したものの、引き渡し後に雨漏りが発生し、補修にも応じてもらえなかったという例もあります。

▼価格だけで選ぶリスク

・見積もりが極端に安い場合
 → 工事内容の省略やアフター対応の不備がある可能性

▼信頼できる業者を見極めるポイント

・過去の施工実績や口コミを確認
・現場見学で施工の丁寧さをチェック
・担当者が要望を正しく理解し、わかりやすく説明してくれるか
・地域密着型で、土地特性に応じた提案ができるか

金額だけでなく、対応力や信頼性も重視しましょう。

見積もりの確認

見積もりをよく確認せずに契約し「カーテンレールやコンセントが別料金だった」と入居直前に気づいて慌てた、というケースもあります。項目の内訳まで丁寧に確認しましょう。

▼チェックポイント

確認項目理由・ポイント
「一式」表記ばかりで内容が曖昧ではないか数量や単価が曖昧な場合は、追加費用が発生しやすい
標準仕様に含まれる工事と、別途費用が発生する工事が明記されているかどこまでが基本価格に含まれているか確認
金額だけでなく、項目の単価や数量が記載されているか不明な項目は担当者に質問

第三者の住宅相談窓口を活用するのも有効です。納得して契約する姿勢が、後のトラブル防止につながります。

アフターサービスの保証

価格の安さだけに惹かれて契約したものの「入居後すぐに設備トラブルが発生したのに、連絡がつかず対応も遅かった」という声もあります。家は建てて終わりではなく、住み始めてからが本番です。アフターサービスの質も、業者選びの重要な判断材料です。

▼チェックポイント

確認項目理由・ポイント
保証期間は何年あるか構造・雨漏り・設備などの対象別に要確認
定期点検の有無と内容は?無料か有料か、回数もあらかじめ確認
トラブル時の連絡体制は整っているか問い合わせ窓口や対応スピードを確認

地元の工務店であれば、何かあったときにすぐ駆けつけてくれる安心感があります。安さだけでなく「住んでからの安心」まで視野に入れましょう。

家を安く建てるためのハウスメーカーの選び方

家を安く建てるには、価格の数字だけでなく「なぜ安いのか」を見極める必要があります。費用に差が出る理由は、業者ごとの仕様や提案内容、広告費や下請けの多さなど、さまざまです。

まずは複数の業者から見積もりを取り、以下のポイントで比較しましょう。

比較ポイント安さに直結する理由
口コミ・評判の調査施工ミスや追加費用のリスクを事前に把握できる
標準仕様の充実度不要なオプションを増やさず済み、追加費用を抑えられる
見積もり明細の丁寧さ・内訳の透明性一式表記を避けて、隠れコストや曖昧な費用を防げる
提案内容のわかりやすさ不要な設備・過剰設計を避け、適切な仕様に絞り込める

ローコスト系を得意とするメーカーは、設計・資材調達・工事工程を徹底的に効率化しているため、価格を抑えた提案が可能です。一方で、標準仕様の自由度が低かったり、オプションが割高になったりする場合もあるので、契約前に内容をよく確認しましょう。

家を安く建てるための資金計画

同じ建築費でも、資金の組み方次第では総支払額に大きな差が出ます。費用を抑えて家を安く建てるためには、資金計画全体をしっかりと見直しましょう。

以下の3点を軸に考えると、無理のない家づくりが実現できます。

資金項目内容とポイント
自己資金の用意総額のうち、頭金をいくらあてられるかを明確にし、現実的な予算の上限を決める
住宅ローンの利用金利や返済年数で総返済額に差が出るため、複数の金融機関から事前審査を受け、最適な金利・条件を比較検討する
補助金・助成金の活用住宅ローン減税や国・自治体の公的支援制度を利用し、実質的な費用を抑える

また、登記にかかる費用や火災保険料、引っ越し代などの諸費用も見落とされがちです。これらは全体予算の1割〜2割程度を占めるため、事前に計上しておくことで資金不足を防げます。

まとめ

家を安く建てるには、設計や工事内容、業者選びから資金計画まで、あらゆる面での工夫が求められます。ただ「安い」だけを優先するのではなく「本当に必要なもの」を見極めることが成功のカギです。コストを抑えつつ、暮らしやすく満足度の高い住まいを実現するために、今回ご紹介した13の方法と注意点をぜひ参考にしてください。

この記事の担当:

豊栄建設家づくり編集部

家づくりのヒントや住まいの最新情報を分かりやすくご紹介。皆さまの理想の住まいづくりにお役立てください。

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