実は全国で一番暖かい?北海道の家の特長について紹介

外は寒くても家は暖かい!北海道の家の特長

真冬の北海道でも家の中は暖かいって本当?

真冬になると日中でも氷点下になることが多く寒さが厳しい北海道ですが、家の中はなんと日本で一番暖かいと言われています。

実際に2020年に発表された国土交通省の「住宅の温熱環境と健康の関連」調査では、北海道にある住宅の居間の平均室温は21℃で、全国で最も高い温度であることが判明しました。※1

その理由は、北海道ならではの高断熱・高気密の家づくりと、地域に適した暖房設備が普及しているから。

北海道の家は、優れた断熱性を持つ特殊な建材や断熱材が使われていたり、気密テープなどを使って気密性を高めたりすることで外からの冷気を徹底的に遮断し、室内の熱を逃がさないようあらゆる工夫が施されています。

また、効果的な暖房設備が普及していることも快適な環境を保つ重要な要因です。

寒冷地ならではの特長的な家づくりと暖房設備により、真冬の雪深い季節でも家の中では汗をかくほど暖かく、半袖や短パンでも快適に過ごすことができるのです。

北海道の暖かい家とはどのような家なのか

冬の室内温度が低すぎると循環器疾患や高血圧、動脈硬化などのリスクが高まると言われており、WHO(世界保健機関)でも「冬季室温18℃以上」が強く推奨されています。

北海道では断熱性の優れた住宅が普及しているため居間平均室温は21℃と温かく、寒冷地であるにもかかわらず低温による健康リスクは低いことが分かります。

事実、2014年の北海道における冬季の死亡増加率は全国で最も低く、同様の疾病の発生率も少なめです。※1

住まいの暖かさがQOL(生活の質・生命の質)の向上にも貢献しているのは、健康リスクが低下すると介護につながりにくいということからもわかります。

寒さによる体調悪化は重篤なダメージにつながりやすく、死亡率の増加はもちろん寝たきりを含む介護状態への移行は深刻な問題です。しかし、真冬でも暖かくキープしてくれる北海道の家ではヒートショックのような急激な体調悪化が起きにくく、既往症がある人でもリスクを減らしながら穏やかに過ごせます。健康的な老後を送るためにも、暖かな家は必要不可欠なのです。

北海道の家は冬の冷気を遮断することに加え、外の熱気を室内に伝えにくくエアコンで冷やした空気を逃がさないという特長もあります。その機能のおかげで暑い季節でも心地よく過ごすことができ、熱中症対策としても効果的です。

昨今では、夏場は沖縄よりも高い気温になることがある北海道ですが、高性能住宅の普及で、一年を通して生活しやすい住宅環境が整っている地域なのです。

※1 参照:国土交通省「住宅の温熱環境と健康の関連」
https://www.mlit.go.jp/policy/shingikai/content/001323205.pdf

北海道ならではの設備で暖かい家をキープ!

北海道の住宅が心地良い室温を保ち快適な空間を提供できるのは、この地域ならではの設備や工夫が影響しています。

例えば、2つの窓を重ねた二重窓は北海道の住宅において代表的な設備のひとつ。窓の内側にもう1つの窓を設置するため、断熱効果を高めたり結露を防いだりすることが可能です。

二重窓を設置するにはその分のスペースが必要になるため、最近ではガラス部分を二重、または三重に重ねて断熱性を高める複層ガラスを採用するケースも増えています。

また、各家庭のニーズや好みに合わせた種類豊富な暖房設備が選べるのも北海道の特色です。寒冷地用の大型石油ストーブや全館24時間暖房のセントラルヒーティングなど、冷え切った室内をしっかりと暖めてくれる暖房設備も豊富で、その選択肢の多さは寒冷地ならでは。 地域特性を踏まえた家作りが、快適で暖かい家を提供する秘訣と言えるでしょう。

北海道の暖かい家の健康ポイントは【換気システム】

北海道の寒冷地では、室内の暖房効率を上げるために気密性を高めることが重要となります。

しかし、気密性が高い住宅は空気が滞留し、新鮮な空気の循環が十分に行われないと一酸化炭素中毒のリスクが高まります。

また、締め切った室内には花粉やウイルス、有害な化学物質などが存在し、あらゆる健康リスクが潜んでいる可能性も否定できません。

そこで重要なのが換気システムです。

換気システムとは一般的に機械で強制的に換気する「機械換気」を指し、窓を開けずに強制的に換気を行うシステムのこと。「第一種機械換気」「第二種機械換気」「第三種機械換気」の3つの種類があり、排気や給気の方法がそれぞれ異なります。

室内の温かさをキープしたまま換気するには、給排気をどちらも機械で行う「第一種機械換気」がおすすめです。

「第一種機械換気」は熱交換器を取り付けられるため、外から吸い込んだ空気を換気システム内で温めてから室内に取り込むことが可能です。これにより、快適な室温を保ちつつ、クリーンで健康的な室内環境を築くことができます。 ヒートショックのような寒冷地ならではのトラブルは、家屋内の温度差を減らすことでその危険性が回避できると言われています。暖かさや涼しさをキープしながら換気ができる換気システムが普及している北海道の家が健康に良いのは、ごく自然なことなのです。

札幌版次世代住宅基準とは

北海道の暖かい家造りのルール!札幌版次世代住宅基準

「札幌版次世代住宅基準」とは、札幌市のゼロカーボンシティ実現に向けて住宅から排出されるCO2削減を図るために定められた、札幌独自の住宅性能基準のこと。

令和5年度から内容が大幅に改訂され、断熱等基準に加えて環境性能に関するサステイナブル要件が導入されました。これらを満たす住宅は「札幌版次世代住宅」として認定され、補助制度を受けられる場合があります。

断熱等基準の変更点は、外皮平均熱貫流率(UA値)・一次エネルギー消費量・相当隙間面積(C値)という3つの指標が設けられた点と、ブロンズ・シルバー・ゴールド・プラチナという4段階の等級に分けられた点です。

サステイナブル要件の評価項目は、「太陽光発電設備の設置」と「蓄電設備の設置」の2つ。太陽光発電設備は合計出力が1.5kW以上で蓄電設備と接続されていること、蓄電設備は蓄電容量が2kWh以上で住宅のコンセントから使用できる設備を設けることなどが条件となっています。 この改訂は国の省エネ基準が令和4年に見直されたことに対応して行われたもので、従来よりも高いレベルの性能が求められるようになりました。

北海道の暖かい家造りに利用できる補助制度について

「札幌版次世代住宅基準」には、基準や要件を満たす住宅を札幌市内に新築する方を対象にした「札幌版次世代住宅補助制度」があります。

北海道では各地域で家造りに関する補助事業を展開していますが、とくに札幌市は細かな基準を定めた先進的な事業を展開しているのが特長的です。

この制度は、断熱等基準の等級がシルバー以上の札幌版次世代住宅を対象に、建築費用の一部が補助されるというもの。札幌版次世代住宅基準の改訂に伴い補助額が上がっており、令和5年度はプラチナ220万円・ゴールド180万円・シルバー60万円の金額が補助されます。

札幌版次世代住宅補助制度は、他の補助金制度と併用できるものとそうでないものがあります。

「再エネ省エネ機器導入補助金制度」や「再エネ機器導入初期費用ゼロ事業補助金制度」、また、太陽光発電設備といった、一部の補助制度との併用が可能です。

詳しい併用可否については、札幌市住宅課にお問い合わせください。

札幌版次世代住宅基準は、北海道の暖かい家作りのルールです。

高断熱・高気密だけでなく、環境にも配慮した住宅を目指し、札幌版次世代住宅補助制度を活用して賢く家を建てましょう。

※参照:札幌市「札幌版次世代住宅基準」
https://www.city.sapporo.jp/toshi/jutaku/10shien/zisedai/zisedaihojo.html

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