新築でもシロアリは発生する?北海道で家を建てる時にできるシロアリ対策とは

北海道の新築、シロアリ対策は必要?

シロアリの被害は北海道のような寒い地域でも発生するため、新築住宅のシロアリ対策は必須です。
住宅を傷つける主なシロアリは日本に4種類存在しており、中でも「ヤマトシロアリ」は沖縄から北海道まで幅広い地域に生息。土地自体にシロアリが潜んでいる場合、対策していない新築の住宅にシロアリが侵入する可能性があります。また、2018年に北海道の胆振地方で発生した地震の被害にあった住宅を調査したデータでは、シロアリが柱を削っていたために倒壊した住宅もあったようです。
シロアリ対策は30坪の広さで10万~30万円ほどかかりますが、対策を怠れば自分と家族の人生に悪影響を及ぼしかねません。被害を抑えて大切な家族を守るためにも、シロアリ対策は必ず行うようにしましょう。

※参照:国立研究法人建築研究所「平成30年北海道胆振いぶり東部地震による建築物の被害に関する調査結果

新築建設時もその後も安心!北海道の家のシロアリ対策

新築時にできるシロアリ予防

床下を点検しやすい作りにする

シロアリは床下からの侵入が多いため、点検しにくい作りだと対策が疎かになり、シロアリの被害を見落としやすくなります。
シロアリの被害を抑えるためには、床下を点検しやすい点検口の設置が効果的です。新築時には外観や内装に注目が集まりがちですが、床下の構造に「布基礎」を採用する場合は床下が移動しづらく、構造が複雑になるとメンテナンスが困難になります。建築計画段階で床下のスペースに対する対策を考え、将来的なメンテナンスに備えましょう。

侵入経路に対策をする

シロアリの侵入を防ぐためには、基礎の立ち上がり(基礎の内地面から飛び出ている部分)・玄関ポーチの地面との接続部・配管の周りなどの侵入リスクが高い場所に対して事前に対策を施す必要があります。
経路になりやすい箇所の対策としては、薬剤の注入やコンクリート・シーリング材・ウレタンなど隙間を埋める方法が効果的です。

使用する木材・断熱材に防蟻処理をする

住宅の骨組みとなる木材や断熱材は空気に触れない通気性の悪い場所にあるため、湿度が高くなりやすくシロアリにとって絶好のエサとなってしまいます。そのため、事前に専用の薬剤を使用する建材に塗布・散布し、防蟻処理を行いましょう。
特に木材への防蟻処理として効果的な「加圧注入」(高い圧力をかけて薬剤を木材に浸透させる方法)は薬剤の塗布よりも防蟻効果が高く、有効期間も半永久的です。しかし、加圧注入は新築時にしかできず、防蟻効果は処理した木材にしか届きません。シロアリの被害を防ぐためにも、1種類の防蟻処理ではなく、複数の対策を併用して効果を高めましょう。

シロアリが嫌う木材を使用する

シロアリは特定の木材の匂いや味を嫌う傾向があり、主に以下の木材を避ける性質を持ちます。

・杉
・ヒバ
・ヒノキ
・ケヤキ
・チーク
・ローズウッド

しかし、シロアリが嫌う木材を住宅に使用しているからといって安心はできません。木材の表面は防蟻効果が弱かったり、木材の生産地で防蟻効果に差があったりしますので、あくまでシロアリ対策の中の1つとして考えましょう。

バリア工法をする

新築時に床下にパイプを設置し、そのパイプから薬剤を注入してシロアリの侵入を防ぐのがバリア工法。効き目が早く、比較的安価に済むというメリットがあります。
リフォーム時にも実施は可能ですが、柱や土台の奥など住宅の隅々まで薬剤を行き届かせられるのは新築時のみ。また、バリア工法の効果は約5年間続くとされ、5年ごとに再散布が必要です。新築時ほど隅々まで実施するのは困難ですが、定期的な実施によりシロアリの侵入を防ぎましょう。

床パネルに防蟻シートを張る

防蟻シートとは、徹底的にリスク管理された薬剤を工場内で注入して作られるシートのこと。バリア工法のような薬剤散布ではないため、以下のメリットがあります。

・地中への汚染がない
・人体への悪影響がない
・有効期間が10年と長い
・地中の湿気が抑えられる

住人やペットへの影響を考える必要がないため、防蟻シートは導入しやすいシロアリ対策のひとつです。

新築に入居した後でもできるシロアリ対策

ベイト工法を行う

毒を混ぜたエサを一定間隔で地中に埋めこみ、シロアリの集団を一掃するのがベイト工法。有効期間は5年ですが、年に2回ほど点検してエサの減っている箇所に追加する必要があります。
住宅内で行う工法ではないため床下点検口は不要で、住人やペットへの悪影響もありません。30坪の広さでベイト工法を実行した際は、20万~28万円ほどの費用がかかります。バリア工法に比べて高価な点と、シロアリ駆除まで時間がかかるのがデメリット。薬剤散布の影響を抑えたい人や、住宅を工事せずにシロアリを駆除したい人はベイト工法が向いているでしょう。

薬剤を散布する

新築から時間が経過した場合でも、木材に穴を空けての薬剤注入や床下への薬剤散布でシロアリの駆除・対策をすることが可能です。
薬剤の散布は個人でもできますが、シロアリの巣を見逃したり暗い床下で体をぶつけてケガをしたりする恐れも。安全確実にシロアリを駆除するためにも、専門業者に依頼しましょう。

基礎部分の換気口を塞がないようにする

換気口は住宅や床下の湿度を下げる役割を果たすため、周りを塞ぐと住宅の湿度が高くなり、湿気を好むシロアリを引き寄せてしまいます。使わなくなった家財やガーデニング用品を換気口周りに置かないようにしましょう。
また、基礎に沿って植木をしたり、ウッドデッキ近くに鉢を置いたりするのもシロアリを引き寄せる原因になります。基礎部分の換気口周りは風通し・日当たりをよくして、湿度が高くならないようにしましょう。

庭・ガーデニングの木材に防腐・防蟻処理をする

庭の枕木やガーデニングで使用される木材は雨にさらされて湿気を含みやすく、シロアリの餌になってしまいます。
基本的にガーデニング用の木材は防蟻処理されていますが、中には対策されていない製品も少なくありません。ガーデニングを趣味にしている人は、木材を使用しないプラスチック製品やシロアリを駆除できるスプレーなどの対策を怠らないようにしましょう。

シロアリ対策の注意点

住宅を守るためにシロアリ対策は大切ですが、数十万円の費用がネックになり、北海道は寒いエリアだからシロアリ被害は少ないだろうと対策を怠る人も少なくありません。新築時・建築後にできる対策をせずにいると、住み始めた後にいつの間にかシロアリに蝕まれてしまう恐れがあり、被害を受けるとシロアリ対策以上に大きな修繕費が発生してしまいます。しかし、対策にお金をかけ過ぎるとコストが嵩み、理想の住宅を建てる費用が不足する可能性もあります。理想と対策の2つを叶えるためには、親身に相談に乗ってくれる業者を選ぶことが大切。住宅の機能性・デザイン性を両立させつつ、シロアリ対策も怠らない対応をしてくれるでしょう。

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