北海道の高床式住居のメリット・デメリット

そもそも高床式住居とは?

床が地表面や水面より高い位置に作られた住宅を高床式住居と呼びます。地表と住宅の間にスペースがあるため、通気性は良好。1階部分を高床式にする場合、住宅の基礎は構造計算(住宅の構造が重力・地震・台風などの外部からの力に耐えられるか計算すること)をした鉄筋コンクリートづくりになるため、耐久性にも優れています。
高床式住居は、東南アジアをはじめとした熱帯地域・シベリア・北アメリカ・南アメリカなどによく見られる建築方法のひとつです。日本でも縄文時代以来は高床式の倉庫が多く作られており、現在では北海道などの豪雪地帯や土地の狭い都心などの住宅に用いられています。

北海道で高床式住居を建てるメリット・デメリット

メリット

雪かき作業をラクにできる

北海道をはじめとした豪雪地帯において雪かき作業は日常的なものですが、重労働であるうえ危険も伴います。また、屋根に雪が積もらないように勾配を急にしている住宅であれば、地面に落ちた雪の除雪作業も必要です。
住居を高床式にすると居住スペースや玄関が埋もれにくくなるため、雪かき作業が楽になるだけでなく雪かき作業の回数を減らすことが可能。作業中の転倒・落雪によるケガや事故といったリスクも軽減します。また、日光も雪で遮られないため、住宅部分に暖かい日差しが差し込みやすいといったメリットもあります。

駐車場として活用できる

土地の広い北海道において車は主要な移動手段ですが、冬の時期には屋外駐車だと雪で埋もれて塗装が痛んだり、掘り出す作業が手間だったりするもの。アルミフレームを組んだ簡易な駐車スペースでは雪の重みで潰れるリスクがあり、車庫を別に建てた場合は雪下ろしや除雪が必要です。
住宅が高床式であれば、1階部分を駐車スペースにすることで車を雪から守り、急な外出の際にも車に積もった雪を落とす必要なく外出が可能。出勤や送迎が必要な忙しい朝でも雪を落とす手間がかからないので、ストレスから解放されるでしょう。

住宅設備を守れる

数メートル単位で雪が積もるような北海道では、屋外に設置が必要な給湯機や蓄電池などの住宅設備を雪から守る必要があります。高床式であれば家の内部に設置することができ、積雪の重みによる設備の破損を回避可能。また、雪の降らない季節であっても高床式なら雨風に晒されないため、設備の劣化や故障などのリスクを抑えられます。
給湯器のひとつであるエコキュートの場合、設備に雪が付着しないのでタンクの湯温が下がりにくく、お湯を作る際のエネルギーを抑える省エネ効果も期待できます。

災害に強い

高床式住居は法律上、外部からの力に耐えられるかを試算する構造計算をしたうえで建築しなくてはいけません。そのため、地震や台風といった災害に強い住宅構造を誇ります。
また、通常の住宅より基礎の位置が高いためゲリラ豪雨や台風によって外部から水が流れ込む外水氾濫に強く、同時に足下から水があふれてくる内水氾濫も防ぎます。
近年は地震や水害などの自然災害が頻発しているので、災害への強さは大きな魅力といえるでしょう。

周囲の目線が気にならない

地表より高い位置に居住空間があるため、通行者や車など周囲の視線が気になりません。外部から直接見られる心配が少なくなり、プライバシーの保護という観点からも嬉しいメリットです。
1階が居住スペースの場合も塀の設置により目隠しは可能ですが、塀による視認性の悪さが不審者の侵入を招くケースもあります。高床式住居であれば、防犯面を維持したまま周囲の目線をブロック可能。住宅を道路や他の建物に近い場所に建てる場合には、大きなメリットを感じられるでしょう。

湿気対策になる

北海道のような寒冷地では外気による寒さを防ぐために気密性が高く設計されているため、冬期に室内の湿度が高くなりがち。高床式住居であれば1階部分が空いているため風通しがよく湿気が家の外に逃げやすくなり、床下の空間により地面から直接湿気が入り込むのを防ぎます。そのため、湿気が原因によるカビ・腐食などの問題やシロアリ・ダニといった害虫の発生リスクを抑え、快適な住環境をキープ可能。地面からの冷気や熱を防ぐ働きもあり、冷暖房の効果も上がります。

物置スペースとして活用できる

高床部分は容量の大きな物置スペースとして利用可能で、車・工具・自転車などのほか野菜の保存にも適しています。1階を物置兼駐車スペースにしておけば、必要なものをすぐに車に積んで出かけることが可能に。物置が別の場所にあった場合は車まで往復する必要がありますが、その手間がかかりません。
また、雪かきには欠かせないが家には持ち込みたくないスノーダンプの収納にも便利です。

デメリット

初期費用が高くなる

高床式住居の建設は、通常の地面に接した住居に比べて特殊な基礎や構造の強化が必要です。また、高い位置に基礎を設けるために追加の材料が必要になり、初期費用が高くなる傾向にあります。
さらに、基礎が高い住宅は重心が不安定になり耐震性が落ちるため、場合によっては耐震性を補うための地盤改良が必要になることも。通常の住宅に比べて工期も長くなるため、初期費用が高くなってしまいます。

出入りに階段を使う必要がある

高床式住宅は居室が2階以上になるため、居住空間へ行くには階段を使う必要があります。高床式住居の構造上避けられないのですが、荷物が多い時や車に荷物を置き忘れた際には小さなストレスを感じてしまうでしょう。
また、小さなお子さんやご年配の方と一緒に暮らしている場合には、階段の付け方・手すりの設置などを工夫しないとケガのリスクが上がってしまいます。昨今重視されているバリアフリーに反する構造が、高床式住宅のデメリットのひとつです。

悩んだら地元に根付いた業者に相談しよう

高床式住居には雪かき作業の軽減・スペースの有効活用・住宅設備の保護などのメリットがある一方、費用が嵩む・階段による出入りが必須といったデメリットがあります。後悔しないためには、ライフスタイルや住居予定地域の特性を考えた上で高床式住居にするかどうかを慎重に検討する必要があるでしょう。
工法に悩んだ際には、地元に根付いた業者に相談するのがおすすめ。地域の特性を熟知している業者なら、エリアごとの気候や積雪量などに合わせて適切なアドバイスをしてもらえるはずです。建設後に発生しやすい問題や後悔しやすいポイントについても教えてくれるでしょう。

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